出会い




2016年 1月29日


仕事が暇で早く帰ることが出来、
深夜の投げ突き網猟のために、
ちょっと早めに寝とこうかなぁとか考えつつも、
自分の部屋でゲームに熱中してしまっている私でした。

そこへ電話に連絡が入る。


妹「敵襲〜!



家で飼育中のウコッケイ。

日中は、トンビ避けのため天井にテグスを張り、
野良犬防止のために四方は網で囲ったスペースで遊び、
夕方には自ら隣接の小屋に帰っていく。

そして夕方、小屋に帰ったところで、
イタチにやられないように出入り口の扉を閉じてあげることになっています。

この日は妹がその担当で、
扉を閉めに小屋へといったところ、
何故かいつも小屋に戻る時間に鶏達が戻っておらず、
未だに外をウロウロとさ迷っていたらしい。

不審に思い小屋へ近づいたところ、中から何かが騒ぐ音が聞こえ、
その何かに鶏が襲われていると確信!

しかし、夕暮れで何かまでは判別つかず、
何より怖くて近づけなかったそうで。

外の鶏たちまでやらるかも! っと、
すぐに小屋の扉を閉じて、その動物を中に閉じ込めてやった。
後は任せる!

という連絡だった。




でかした!!!!


イタチか? アライグマか?? タヌキか???

猟期中だしそのまま俺が成敗してやる!!!



電話をもらい急ぎ駆けつけると・・・





こ、こ、こ、こいつは・・・・っ!!!










そこにはまるで座布団のように鶏を踏みつけて、
その肉をむさぼり食っているトンビ野郎の姿があったのだった。

メス鶏が一羽、そして雛が一羽やられていた。


そして可哀そうに・・・

入り口付近にそいつがいたために、外に逃げることも出来ず、
抱卵中のメスがもう一羽、一緒に閉じ込められてしまっており、
目の前で食われる仲間を、おびえた様子で眺めていたのだった。



テグスの効果が弱かったのか・・・

隙間から遊びスペースに侵入され、
そこから小屋に入り込んだのだ・・・

もう少しテグスを密集しててやれば・・・・

あるいはもっと早くに様子を見に来てあげれば・・・・・・


管理が悪かった我々の責任だ。

鶏たちには本当に心から申し訳なく思う。
その恐怖はどれほどのものであったことか・・・


もちろん、野生動物であるトンビには何の責任も無い。
生きるために、ただその日の食事を済ませただけのこと。

イタチやタヌキとかであっても当然責任はない。

でもあいつらは狩猟鳥獣だし、今は猟期だし、
私も食糧とするためにそのままぶち殺してやるつもりであったが、
狩猟鳥獣ではないトンビであればしようがない。

すぐに外に追い出してやろうと、
扉を開け、オラオラっ と足で小突いていると、
ん? ちょっと待てこいつ!?




そいつの足に変な物体があるのを見つけ、
ふん捕まえて確認をする。




これは!?

両足に紐を通せるような皮製の止め具があるぞ!!

こいつは野生ではない。

誰かに飼育されていた個体に間違いない!

そして首根っこを押さえてこんな写真を撮ってるときに、
くるりと身を返し腕に掴みかかってきた。



ウギャー!


服の上からでもスゲーイテーし!!


そしてなんちゅうこった。

野生でなくペット野郎だとなると、
このまま黙って空に放つわけにもいかなくなってしまったぞ!

ペットとなると拾得物として警察に報告か?


すぐにネットで調べると、
国産種の猛禽は全種捕獲及び飼育禁止、
飼育固体は全て輸入種であるとのことだった。



なるほど外来種だとすればなおさら放すことなど出来ない。

ちゃんと飼い主に引き渡して、
二度と逃げ出さないように管理調教してもらうのが一番!



しかし、もし国産種であれば、誰かが密猟して、
違法に飼育していたものである可能性も捨てきれないという。

知る人によれば、この種類はオオタカであり、
オオタカは国内にも生息しており、当然それは捕獲や飼育は禁止だが、
同じオオタカでも輸入された固体であれば飼育は可能だと言う。

そして、その国産or輸入の判定はどうも素人には難しく、
密猟個体である可能性も否定できないわけで、
やはりまずは警察に届けましょう。 との結論でした。




とりあえず土日を挟んでしまい、
警察は土日はそういう受付はやってないと思ったので、
ケージに入れて、飢えて死なれてもなんかやなので、
やられた鶏にはマジに心底申し訳ないんだけど、
その亡骸も一緒に放り込んでおきました。





月曜日、朝一で警察に電話すると、
迷子ペットは持って行けば引き取ってくれるという。
ちなみに拾得物の受け付けは24時間やっているそうです。




護送。

警察で拾得物として数日間預かり、迷子ペットのリストを照合、
落ち主が見つかれば引渡すということだった。

また、迷子の飼い主が名乗り出ていない場合、
拾得者が引き取れるということでした。

動物飼うのは好きだけど・・・

肉食の鳥ねぇ・・・

魚の場合は、ピラニアやガー、アロワナなどの、
肉食の古代魚を好んで飼育していたけど、
鳥の場合、今のところ家禽以外は興味ねーな。

もちろん戦闘種族マルチハンターとしては、
とらわれず多くの猟法に通じるべきであり、
いずれは鷹狩りもしようと考えてはいるけれど、
自分で獲物を追いかけられなくなったときや、
あるいは調教の時間を考慮すれば、
定年して鷹と向き合うだけの暇が出来てからでいいだろうと考えていたのだ。

保健所送りになるならかわいそうだから面倒見てもいいけど、
鳥の場合は、飼い主が見つからなくても保健所送りになる犬猫と違って、
保護センターなどに移送されるとのことだったので、
「じゃあそういうことで」 ということにしていただき会社へと向かいました。

ところが、よくよく考えてみると、
もしかしてただのペットじゃなく、鷹匠が鷹狩り用に飼っていたかもしれない個体であれば・・・


たいした調教もしないで俺でも鷹狩りできんじゃね?


みたいな風にちぇんじまいまいんど。



というわけで、改めて警察の担当の方に電話して、
持ち主が見つからなければ、ぜひこちらで引き取らせてください。
ということにしてもらった。

後ほど担当者から電話があり、警察の遺失物届けのリストや、
保護センターへの届出リストを照合したところ、
行方不明の鷹の届けは出ていないらしく、
引き取りをお願いできますか ということになったのだった。


なお引き取ってから3ヶ月間は拾得物の委託保管扱いとなります。

そして警察の方で調査しつつ落とし主の連絡を待ち、
もし現れれば飼い主へ引き渡すことになりますが、
その間掛かった費用などは請求できるという。

ちなみに殺されたウコッケイの被害とかも請求できるとか。

ニヤリ。
現れたら現れたでそれも面白そうだぜ?




放り込んで乾燥しかけた亡骸を、
未だにビリビリむしって食ってるやつ・・・

もしかしたらエサはジャーキーでもいいんじゃね?



一つ心配なのは、輸入された固体ではなく、
もともと日本で生まれた在来種が、
密猟によって飼育されていた個体かもしれないということ。

ちょっとそれは私には判別できないんだけど、
3ヶ月の間に持ち主が現れればその可能性は低いし、
引き渡してちゃんと管理してもらえばそれで万事解決。
まさか密猟の違法飼育で名乗り出ることはしないだろう。
鷹匠日誌はめでたくそこで終了となる。

しかし、現れなくて正式にマイペットになることになった場合、
現れなかった=違法飼育固体だった可能性大。

黙って飼い続けて第3者によって国産の在来種と特定された場合に、
この俺様がお縄になるんじゃねえの? という恐れだが、
どこで鑑定しもらえばいいんだろうな・・・。

まぁとりあえず3ヵ月後の話だな。



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