12月23日





ダムへと行く。

いない。



チョークを短いのに交換して奥へと進む。

いない。


そして戻るべかと来た道を引き返し、
丁度仕掛けているデコイあたりにさしかかったときだった。





ん? デコイがずれてる??



いや違う! 本物だ!!!





王1羽。 女王2羽。

計3羽が泳いでいる。


俺が奥に進んでいた間に飛んできたらしい。

もう戻るつもりでザクザク音を立てて歩いていたので、
さすがにやつ等も俺のほうから遠ざかって奥のほうへと泳いでいく。


俺からすればまた奥に行くことになるけれども、
今日は休みなので時間は腐るほどある。

急がずになるべく音をたてないように奴らが向かった場所へと向かう。





ウハハハハハハ

向かいの茂りの中に隠れている。

俺様が本気出せばやつ等のスカウターには悟られん!!

そして俺が気を開放したらスカウターは ボンッ!





俺も薮越しに片膝をついて身をかがめた状態で、
再びチョークを遠射用に交換し、BB弾3発を込めて悪いほうの耳だけに耳栓をする。
両方に栓をしてしまうと、自分が動く葉っぱのガサガサ音がどれほどなのかもわからなくなってしまうからだ。


ダムには俺しかいないし、
あの鴨のいる位置なら水面に向けて発射しても大丈夫そうだ。

このところなるべく写真より動画に残そうと努力していたのだけれど、
今はもうそんなことしてられません。

やはり俺が獲物を取り逃がしてきたのは、
撮影に気を使いすぎていたからに違いない!



余計なことを考えずに猟に集中!

ミッションスタート!


銃を肩につけソロリソロリと身を上げ鴨達に狙いをつける。


しかし・・・・


どれにすっかな〜?



迷うなぁ〜〜〜・・・・







ネネネネネネネネネネネネ・・・・・・・・

うははははは。






王に狙いをつけ、手前の撃ちやすそうなメスに狙いをつけ、
迷い箸ならぬ迷い銃をしているうちに気のコントロールが乱れてしまったらしい。











バレタ!!!







ズダーンズダーンズダーーァァァ・・・・ン




気配を悟った王が飛び立つと同時に狙いをつけていたので発砲。
続いて女王達に向けて一発づつ、無我夢中に全弾を発砲しつくした。


























☆☆ 奇跡  起きる ☆☆










ズシャァァァ     ボチャ    ボッチャーーーン







三羽とも落ちた。







よよよっっっしゃぁああああ!!!



これが俺の実力か!?

いきなり心臓の鼓動がでかくなってきやがったぞ!




だが王はまだ息があるらしくバタついて茂りの中へ。
同じく女王一羽がスイーーーーと泳いでいく。

別の女王はどうやら死んでいるらしい。
プカプカと浮いている。



ついにやった!!!


だがまだ猟は終わりではない。

半矢の状態で放っておいてはかわいそうだ。
確実に息の根を止めてやらなければ。

生き延びている王と女王に追撃を加えようにも、すでに姿は茂りのどこかへ。




即死の女王を回収しに行くとともに残るペアに追撃を加えよう。



空薬きょうを回収し車へゴムボートを取りに戻る。




さっそく出航だ!


ぉぉぉぉおおおおおお


速い!  速いぞ今の俺は!!

レースでも上位を狙えるかも知れん!!!




ムフフフフフ!! いたいた!!





QUEEN OF KAMO GEEEEEEEEEET!!!!

だがまだ気を抜くな! 後2羽ゲットできるぞ!!


王ともう一羽の女王が隠れているであろう薮に近づく前に、
銃に弾を込め左耳に耳栓をして、ハイハイ漕ぎで前向きに進む。


すると・・・・


ゲーーー ゲッ  ゲッ  ゲッ



メスが飛び出た!!!

よおおおーーーーーっしゃーーーー!

瞬時にパドルを捨て銃に持ち替えて発射!!



ズダーンズダーン。




ハズレーーーーー。


残念。奇跡は続かない。

っていうかちょっと近すぎて狙いがうまくなかった感じ。



(あれ? オスは??)



そうだ! オスがまだ隠れているはずだ!

っと、今度は少しはなれて茂りを捜索し、
姿を確認してから近づこうと思って慎重に。


だがオスが見つからない。

もしかしたらボートを取りに行ってる間に飛んでったのかもしれん・・・




みたいに思って諦めモードになったとき、茂りの奥になんか浮いてるのを発見!






王だ!
隠れているのだろうか、茂りの奥の奥に突っ込んでいる。


ん?  死んでるのか??


銃口を向けて狙いをつけながら、「おい!」と声をかける。



どうやら死んでいるらしい。

隠れて力尽きたか・・・・。

バカめ。

素直に見えるところで死んでればいいものを、
俺じゃなかったら回収されずに腐っちまうぜ?


オールでつついて何とか引き寄せる。





KING OF KAMO GEEEEEEEEEET!!!!





もう一羽獲れてたかもしれないが、もう十分だ。

これで銃をくれた先輩殿に献上できるぞ!

水面にプカプカ浮いてる空薬きょうを回収し、
自宅に戻り記念撮影。





良い顔してるぜ・・・・。



「おはよーございーーーーー!!!」

「おう。銃鳴らしてたのお前か。」

「ひひひ。」

「なんだ? 獲れたのか?」

「イエース!・・・・・・・ジャジャーーーン!!」

「おお!! やったな!!!」

「どうぞです。」

「いいのかぁ?? 散弾の初物だろ?」

「いえいえ。 もう散弾マスターなので。いつでも獲れますから。」

「じゃ・・・・・・悪いな!」



というわけで、無事に奉納が終わりました。

よし! これでちゃんと義理を果たしたので今後のカモは皆俺のもんだぁー!



そういえばゴムボートに乗って銃を撃つのって初めてだったけど、
撃ってもバランス崩してひっくり返る心配はなさそうだ。

このゴームボートで十分だわ。


でも軽トラにスッポリサイズのこのゴムボートは、
いわゆる子供用に近いおもちゃみたいなものなので、
乗り降りにかなりのバランス感覚が求められますし、
手漕ぎはかなりきついものがありますので、
良い子良いジジイは真似しちゃダメだよ。


ひっくり返って死ぬからね。



若者はぜひこの方法を導入するように。







午後、日没前にダム巡りをする。



とあるダムに向かうところで、キョン発見。

良い写真が撮れない。


そしてダムへと向かうと・・・・・




むむ!

今一瞬だけどカルガモのようなものが水面に一羽浮いていたのが見えたぞ!

とっさにその場に身を伏せ、少し後退。

ここは土手をあがった後に隠れる場所が無いので、
これ以上先に進むとカモにばれてしまう。

弾を三発込めてホフク前進。

ゆっくりと土手の斜面を這い上がる。


だが・・・・バレたらしい!


バチャチャチャっと飛び立つ音を聞くと同時に立ち上がって斜面を駆け上がり、
奥に飛び去るカル様に向けて一発を見舞うも当たらず、
ふたたび旋回して戻ってきたカル様に2発をぶち込むも当たらず。


いやーーーー 残念。


今日はカモフィーバーだね。

弾も一日に8発も撃ってしまったぜ。


そろそろ俺の願いが通じてきたのかな?




本日の猟果
発砲 8 
獲物 マガモ × 2 
半矢 マガモ × 1 
空薬莢回収 8 



お百度参り
狩猟の部屋
TOP inserted by FC2 system