鴨デコイと鴨笛



俺は自分の射撃の腕が悪いってのは百も承知なわけよ。

かと言って、射撃場に通って腕を磨こうだなんて思わないのも俺なわけ。

そのクセに猟果だけは一丁前に望むというアホも俺なわけね。


つまり最低野郎なわけ。


で、そんな生臭バカヤロウがどうやってカモを一杯獲ろうかといえば、
自分を鍛え上げるのではなく、当の鴨達の警戒心を、
俺でも余裕で獲れているヒヨドリレベルまで下げてあげればよいわけですよ。



(そんなうまくいくかよ?)



実はわたくし、
初日にカモを手にしてしまって浮かれてしまって、
秘密兵器を注文してしまったのだ。




兵器は代金引換でやってきた。








カモデコイだぁー!



さらに・・・・




カモ笛だぁー! (英語の鴨猟DVD付き) 

こんな感じ

アパート、マンションだと気楽に練習が出来ない鴨・・・


カモのデコイは一羽当たり3000〜4000円くらいが相場なのですが、
このデコイは破格の価格でして。




1ダース(12羽)で8790円。



手に入れてすぐ、効果はどんなものかと思ってダムに2羽仕掛けて、
毎朝確認に行っていたのだ。

これがまたなかなかよろしくて、
デコイのそばに寄っているのを確認できたのだ。



今日はさらにデコイを追加しようと思ってダムに赴いてみたのだった。



ダムへ行くと道脇に釣竿が転がっていた。

ん? 忘れ物か?

っつーかずいぶん極太の振出竿だな。。。

と思った時・・・



「どこいくの?」



木陰から銃を持ったハンターが現れた。(ちょっとビビッター!)

どうやら竿はカモ回収用の竿らしい。



俺 「ちょっとデコイでも仕掛けようかと思って・・・」


といいながら水面のほうを見ると・・・・





ゲーーーーッ!!!!  (訳:何ー!!)  ラテンドラマより





すごすぎる!!  鴨が20羽近く泳いでいる。



俺 「あれ! めちゃめちゃいるじゃないですか!!!」


ハンター 「うん・・・もうちょっとこっちに寄ってきそうなんだけど・・・」



どうやらオナガガモらしい。

っていうかしまった!

俺が音をたてたから離れてしまったのかな。



俺 「すいませんね。 音立てちゃって。」


ハンター 「いやいんだ・・・今向こうの山に仲間がヤマドリで入ってるから、
      犬が降りてくればまたこっちに来る。」


俺 「私がボートで突っ込んでみましょうか。」


ハンター 「いや、あそこから飛び立たれると、こっちに来たときには遠すぎて弾が当たらん。」



なるほど。



彼は奥にいる仲間に電話をかけて、
鴨がいる事を伝え応援してくれるよう要請。



そしてしばらく銃のこととかデコイのことについて雑談していた。


ハンター 「デコイは高いでしょ。」

俺 「これはそんなでもなくて・・・1ダースで1万円くらい・・・だったかな。。。」

ハンター 「え!? どこで。」

俺 「インターネットで
豊和精機っていうところです。」



みたいに話している最中に、
彼が倒れていた竿を立てかけようと持ち上げたところ、、
穂先を足で踏んでしまい折ってしまった。


ハンター 「あ! おーれちまった。」


俺 「あらら・・・  まぁ落ちたら私回収に行きますから・・・」




そして・・・・




ドパーン!!!!



奥にいたお仲間さんが鴨を狙ったらしい・・・が、
残念ながら一羽も仕留められなかったようだ。

鴨達は飛び上がりこっちの入り口のほうに向かって飛んでくる。

雑談していたハンターはサッとベルトみたいな弾挿しから弾をつまみとって銃に込めた。



よーく狙いを定めて・・・・・




ドパーン




スカ。






ドパーン




スカ。




二発発射したものの残念ながら落ちない。



だが、鴨達は空を旋回して方向を変えようとしている。



ハンター 「ん! 戻るか!」


彼はすかさず弾を込めてもう一撃をお見舞いした。



おおーー!! 当たった!!!



群れの中の一羽が体勢を崩して落下、水面に突っ込んだ。

まるでカモ笛のDVDみたいだ!

(あれは全部英語で何言ってるか理解できないけど面白い。)



実際に散弾銃での鴨猟をこの目で見るのは初めてで、


思いっきり興奮するぜ!!  ムフー!(鼻息)



死んだか?   いやまだ生きてる!


泳いでダムの奥のほうへと進んでいる。



ドパーン


ドパーン



必死に逃げようとしている鴨に、お仲間さんによる追加攻撃。

ピシャピシャピシャピシャ・・・・と弾が水面に当たり、
散弾の広がりが目に見てわかる。


すげーぜ!!


フローターで浮かんでたらたまらんな。。。。



だが狙いは悪かったみたいだ。

鴨は変わらず進んでいき、
途中で水面に覆いかぶさった茂った藪の中へ隠れた。



ハンター 「今から船の人行くから!」





俺の出番らしい!!!


ヤマドリ用に連れてきた犬は水の中まで行ってくれないみたいです。




ハンター 「動きを止めねえと・・・」



よし! 頑張るぞ!!

実はちょっと重いフロートボートを軽々持ち上げたようにみせて水面に浮かべ、
いつもなら二度に分けて運ぶエレキとバッテリーも一度で運んでセット。
そしてボロ空気銃を担いでさっそうと乗り込んだ。

いくぜ!




パチャパチャパチャパチャ



もっとスピードが出ると傍目かっこいいのに・・・・



奴が逃げ込んだ藪の対面までやってくると、
お仲間さんが奴の動向をずっと監視していて、

「その茂った竹の下!」

と、指示をくれる。


いた!!


落下したのは雌だ。
藪の下で身を潜めている。


あらかじめ船を走らせてた間にポンプをしてある。

弾を込めて狙いをつけるが・・・・茂ってて狙いずれーーーーー。

何とか体勢をかがめて鴨めがけて発射!


当たった!


(いや・・・それ外したらかなりショボイだろ。)


だが致命傷ではないらしい。

再び泳いで逃げようとしているが、
俺の一撃は泳ぐバランスに影響を与えたらしい。

逃げようと回転しているところに、
オラー!!!っとボートで近づいて鷲掴み。




無事に回収!  (人のもんだけど)



指示をくれたお仲間さんにパスして出航ポイントに戻り、
撃ち落としたハンターにはお仲間にパスしといたことを伝える。



ハンター 「え!! ありゃもう君のだよ!」




え?  俺はただ回収を手伝ったつもりなんだけど・・・・


お空の鴨を撃ち落したのはあなたなのに・・・・





ほんと??         くれんの???








そして・・・・






本当にくれたーーーーー!!!



♪もーけた もーけた!!♪



まだ生きていたのでかわいそうなので止めを刺し、
デコイを仕掛けに行くことにする。


俺 「デコイ仕掛けっぱなしにしておきますから、
   どこかご希望のポイントはあります?」


彼ら 「じゃぁあの山の交差した辺りの左のほうに・・・」


俺 「りょーかいでございまーす!」





そして彼らの希望のポイントにデコイを仕掛け、
俺が陸から撃ちやすそうなポイントにもそれぞれデコイを追加。


本当は今日はこのままダムの周囲でも歩いてヒヨドリを狙うつもりだったが、
頂き物で十分すぎるので帰ることにした。



いやー嬉しいね。



でも まてよ・・・・



ってことは・・・・


フロートボートでスタンバッてて、
散弾の人が回収を諦めた獲物を狙ったほうが、
俺としては確実かも知れねえな!

自分で苦労して狙うよりも!


この前のグロテスクガモも回収を諦められた奴だろうしな。



でもまぁ・・・

シカリに言わせれば、「そんなものは狩猟じゃない」 ってことだろうけどな。



全然かまいませんよ。 わたくしは。



本日の猟果
発砲 1 
スカ 0 
当り 1 
回収 1 
半矢 0 



空気銃猟日誌
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