激闘を終えて・・・



机に伏したまま1時間くらい眠ってしまったようだ。

溢れて頬を浸すヨダレの違和感で目覚めるなんて、
つまらん授業で机に突っ伏して居眠りしてた学生以来じゃあなかろうか・・・。

体中がガクガク、すでに筋肉痛が。

ちょっと甘いコーヒーでも飲むか・・・・

そして頭の方は大分ハッキリとしてきて、
外椅子に座ってコーヒーをすすり、横たわったイノシシを見ながらいろいろ思う。



仕掛けた翌日に掛かる。

そういえば初めてイノシシを捕らえたときも、
罠を仕掛けた翌日に掛かったけど、
罠猟師に言わせれば、イノシシの嗅覚は犬の数倍、
プロの猟師は、山に行く前に体臭消しの石鹸を使ったり、
罠の臭いを消すために使用前に土に埋めておいたりと、
仕掛けた翌日に掛かるなんてありえん。
とか言う人がいるけれど、
この辺のイノシシは鼻が狂ってるんかね?



さて、そんなことよりだ・・・。

いつもタヌキ系にはチキンナイフだからと、
横着せずに初端からブレイブブレイドを身に着けておけば、
あそこまでの攻防を繰り広げることもなかっただろうし、
何も目を刺したりの突っ込んだりの苦痛を与える必要も無く済んだだろう。

筋トレもやってないで筋肉が落ちたこともあるけれど、
父が始めだし、飽きてやめた糖質制限とかいうのを、
じゃあ俺がやってみよう なんてくだらんことを始めずに、
せめてもう少し食べて体重を維持していれば、
もっとイノシシに負担を掛けられたに違いない。

ハンターハンターのアニメ放映が終わり、
毎週必ずマックデリバリーを頼んで、
ジャンクフードをドカ食いしながら昼を過ごすこともしなくなったしな・・・。


今後またあのような状況に陥ったときのために再びマックを・・・・

いや、そんな問題じゃあない。


結果的にこうして猪が手中にあるが、本当に運が良かっただけで、
逃げられた時点で深追いするべきではなかったのかもしれないな。





噛まれたところ。

厚手の皮手袋をしていて、
口の先端で噛まれただけなのでこの程度で済んだのだ。
それでもくっきり後が残っている。
手首を曲げると関節が少々痛むが骨に異常はなさそう。


こうやられたのだ。




この牙に達するまで深く食い込まれていたならば、
あるいは手袋をしていない右手だったならば、
オロナインでは済まされない相当の深手を負っていたに違いない。

本当に、ただ運が良かっただけとしか思えない。


情けの精神からタヌキクラスは箱から引きずり出して、
木刀で意識を飛ばしてからの血抜きを と心がけていたけれど、
何も猪クラスの野獣を相手に、
近寄って頭を叩いてからの血抜きなどと情けをかけられるほどの、
私はハンターとしてのレベルには到底達していないのだ。

念には念を。
やはり今回のように延長できる柄付きの括りロープを自作する。
磯網みたいなフニャフニャものではなく、
ジュラシックパーク(ロストワールド)に登場するような、
仮に振り回されても折れずに距離を保てるくらいの強度のあるものを作る。

そのうえで自分の安全を第一に、遠間から槍のような物で、
心の臓を一突きできるような装置を持つべきなのだろうか。



それでも、いつ罠が切れるとも限らないわけだ。
一人のときにそうなったときに、反撃は出来ないまでも怪我をしない対策は必須。

サスマタのようなもので突進を食い止める・・・

いや、捨て身の猪突猛進からのカチ合いで棒に伝わる衝撃を、
人の腕力では到底食い止められないことは身をもって知った。

いっそのようなものでもあれば・・・

そうだ、盾ごと吹き飛ばされようとも、牙の直撃は回避でき、
あわよくば反撃のチャンスも見出せるかもしれない。

相手の攻撃を盾でさばきつつ、対となる槍で攻撃!



















琉球王家秘伝武術、
ティンベーとローチンの基本的戦法のように!!

いや、いっそのことグリズリースーツのような対イノシシスーツの開発を視野に入れるか?




ふっ・・・・


何をバカなことを考えているのだ。


そんなことよりまず何をおいても・・・




ワイヤーは切れたわけじゃないのだ。



カシメからすっぽ抜けていたのだ。

まずはくくり罠のワイヤーを止めるカシメを圧着する専用の道具が必要かもしれないな。
トンカチで叩いて圧着していたけど、
それでは本来の力が発揮できていないってことなのかもしれん。



今回はがっちり掛かっていたんだ。

これでカシメさえちゃんとしてれば、
ああまで苦労はしなかったという結論だ。


次回から心がけること。
カシメをしっかりして、遠間からの槍の攻撃ってことで。

でもたしか・・・
前に生活安全課とか猟友会に聞いて調べたんだけど、
槍は日本刀のような「刀剣」に分類されるから、
正当な理由があろうと無かろうと普通は所持できない、
美術品としての許可制であったはずだったけど・・・



まぁ槍じゃない槍を作りゃいい!

例えば・・・・


竹槍は槍じゃねえだろ?

陸上の槍投げのアレも所持許可要らないだろ?

刃渡りといえる「刃」がなくて、
鉛筆みたいな構造なら槍にならねえだろう。 たぶん。





せっかくなので重さを量りたいが、輸入した吊りばかりは壊れていて、
でももったいないから捨てずに放ったらかしておいたんだけど、
いつの間にか邪魔だと父によって捨てられてしまっていた。
測定できないのが非常に悔やまれる。




まぁいい解体していこう。

かつて出張中に罠に掛かり、
不幸にも衰弱死した軟弱イノシシを、皮付きで処理した際の皮の食感、
手早く調理したコリコリシコシコ感と、じっくり調理したクニュクニュプルルン感、
そしてあのノドを通るときのブラシで擦られているかのようなのど越しが懐かしい。


このデブブタやろうめ・・・
今回も毛剃り法でいこう。

しかし重い。
一人ではうつ伏せから仰向けにすることすらままならない。



スゲー胃袋だ。

よくわからねえけど、無性に腹が立ってきて許せねえ大きさだ。



中身はやはりほとんどがドングリ。

その中に柿やカエルがチラチラ混じっているようで、
この胃袋だけで3kgの測りを余裕でぶっちぎる。



内臓を出した後は動かすことも出来ない。

すでに朝晩は冷えるが、さすがにまだ昼ともなればハエも十分活動できるらしい。
とりあえずバイクカバーを掛けてハエの侵入を防ぐ。






そして、こんな動画を見てしまっていた私であった。

とどめのときに流れ出てしまった血液が悔やまれるが、
今回の猪は 沿った毛、胃腸の中身、出汁を取った後の骨、豚足を食べた後のヒズメ、
それ以外のすべては俺の血肉にしてやるつもりだぜ。



気管や食道、チンポコ、そして・・・・



膀胱でさえもな。




心臓、肺、レバー、脾臓、すい臓、腎臓などの通称赤モツ。

そのままで問題ない。



大腸、小腸、直腸などの白モツ。

中身を出し、塩でよくもみ洗う。

クッサイ作業で過酷だが、
動物を殺しておいてこれが出来ない奴は猟をする資格が無い、
逆に死ねばいいのに、 と、わたしは自分の中で決め付けている。





ふう。

とりあえず一息。






作業後、小腹が空きさっそく金玉を刺身でいただき元気回復。

これが互いに命をかけた戦いを制した末の感情か。

こいつの偉大なるパワーを我が肉体に取り込みたく、
その力を後世に残すための最重要器官、
金玉を食らってやろうという感情が溢れ支配されていたのだ。


そういえば今回、いつも感じるような罪悪感を感じなかったって書いたけど、
多分この相手の力を取り込みたいという感情がそれを説明してくれるのかもしれないな。

罪悪感を感じるってことは、つまり捕獲から止め刺しまで、
すでに相手より有利な位置にいるからってことだろう。

相手に感情移入してるだけの余裕と暇が有り余ってるってことだ。



だが相手と互いに命がけの勝負を繰り広げた先にあるもの、
そこには勝つか負けるか、斃すか斃されるか以外にない。

大げさかもしれないが生きるか死ぬかだった。

その勝負に俺が勝った。

やるかやられるか・・・ 



食材にしようと思う存在に対し、
自らの命を賭すことによって芽生える感情・・・

自身をここまで追いつめた相手への畏れの念に支配され、
また、自分が生きながらえたことと引き換えに消えた命を尊ぶ思いが湧きおこれど、
罪悪感などそこに立ち入る隙はないはずなのだ。









つまりこういう時代に、
ナウマン象に対しての罪悪感なんてほとんど感じてなかっただろう ってことさ。

命懸けで食材を調達していた時代にはさ。

大なり小なり、食とはかち取るものだった。


いつしか労せずにその日の食事ができるようになってしまい、
人は無理に罪の意識から感謝の念を感じ取ろうとするようになった。

かつて命と引き換えに食材を得ていた時代、
命をかけて とまでは言わずとも、苦労して動植物を入手、
さらに時間をかけて食材へと仕上げていた時代には、
その食事を無駄なく食べようという自然に込み上げる感謝の気持ち、
また、その恵みが再びもたらされるよう祈る心があったに違いない。


前にも日記で書いたことがあるけれど、
現代日本人は一度の食事を用意するために、
いったいどれだけの時間を割いているだろうか?

金を払い誰かが作ってくれて出てきたものをただ口にするだけ。

という人も多い。

しかし、未だに世界人口の約5分の一の13億人が電気なしで暮らしており、
26億近い人間が、一回の食事のために数時間を費やし、
つまり食事のために、その日行動するだけで終わる人々がまだいるのだ。

簡素な器具で穀物を潰し、
煮炊き用の燃料となる薪を集めたり、なければ牛馬の糞を利用、
飲み水さえも数キロ歩いて確保しにいく人もまだまだいるのだ。

そんな生活をする彼らが抱く食事時の感情に、
はたしてどれだけの現代日本人が近づきえるだろう。

金だって働いて稼いでいるんだ! と訴える人もいる。

けど、俺から言わせればそう考えることこそがすでに糞だと。

まさにその日生きるために苦労して食事をかち取っている人々に、
罪悪感を感じて感謝と結びつけろなどと言えようものか。



ハンターとして言えること。

結局楽しみで、目線、立場も上から獲って殺して命どうこう語ってるうちは、
ただの偽善者に過ぎないということを深く理解した。

偉そうにそういうことをのたまいたいなら、
文明の利器に頼らず己が命を賭したうえで相手の命を食らう行為、
それこそ、食うか食われるかの弱肉強食のピラミッドにその身を置いてみろってことだ。

自分は生き残り、相手は胃袋に収まった  これが大事 なんだってことさ。


子供に生き物を殺させ、わざわざグロさを見せつけて罪悪感を芽生えさせ、
無理に感謝させ命のありがたさを学ばせるというのは間違いだ。

俺は今、罪悪感など微塵も感じていない。

だが、それ以上に相手の生き様と生命力に驚嘆し、
その命を尊び感謝、心の底から「いただきますごちそうさま」が言える。

それは罪悪感から生まれさせたグラグラの感謝ではない、
自らの生きる力を生み出させる糧となった、
まさしく自身の生の一部となった相手へのゆるぎない不動の感謝である。
そのうえで自分の命があることにも深く感謝できるぞ。

俺は今回、日本の普通の現代人には到底たどり着くことのできない、
食に対する悟りの境地に近づいた気がする。


好きだの嫌いだので飯を残すクソガキや、
死にたい自殺したいとか言うバカタレに感謝や命どうこう学ばせたいなら、
さっさとジャングルかサバンナに置き去りにしてやれ!!!

俺と同じ目に遭いやがるがいい!

相手を喰らってでも自分が生きたいという感情を持ちえること、
さすれば毎度の食となる命に感謝し、
その時、己の命があり生きながらえたことにも感謝できるスーパーマンが誕生するだろう。



(テメーの考え人に押しつけんなよ!)



別に・・・俺はここで独り言のべてるだけだよ。

人に強制したことはこれまで一度としてねーし、
感謝の気持ちなんて人それぞれだし、俺はそう感じたぜ。

ってだけのことだぜ。

無理に肉弾戦に突入して死んで俺のせいにされても困るっつーもんだわ。





そしてヤバイな。
戦いの後に相手を食らうという戦闘民族の気持ちが、
今ならわからなくもない気がする。



(さすが凶悪世代!)



いや、前にも言ったけど、
あいつらと俺はちょっとしか違わんと思うよ。







まぁそのほんのちょっとがすごく大事なんだけどね。



(同級生にまだ人喰いはいないな。
 お前が人喰いで名を連ねるかも?)



だからそのちょっとの差が、
頭では思うも、実行できるかどうかに現れるんだよ!

相手のことを考えたとき、
あるいは今まで築いた暮らしとを天秤にかけたときに、
それを止める理性が働くかどうかの差なんだよ。

殺してまで人喰いたくねーよ。



(じゃあロードキルからしっけいしてくれば?
 お前の十八番じゃん!)



あーもうやめようぜその話!!



(オノレが始めたんだろうが!)



そうだっけ?
だいたいなんで俺がいずれ人喰い確定みたいに思われてんの?
機会があれば食べてみたいって言っただけじゃんさ。

それに俺、動物の解体とかはOKだけど、人はダメなんだよね。
人の怪我見ただけで肛門がゾゾゾっとするんだよ。



(ふーん・・・・)




さてそれはさておき・・・・・

じゃあさっそく探しにいってくるか。




狩猟登録証を。




(え? どゆこと。)




いやそれが・・・・

朝に上着のポケットに入れたはずが、
さっき洗濯しようとしたら見当たらなくてさ。

どうも追いかけたときかもみ合ったときに落としたらしい・・・。


そしてさっそく探索にいくもどこにも見当たらない。

風が吹いている・・・  飛ばされたか?

あるいはぬかるみの中だろうか。

あんな紙切れ、見つかるとは思えん。




(登録証が無いと今後猟が出来ないじゃん?)



ね。

でももうイノシシ一匹で十分。

部分肉にした後の冷蔵庫のキャパも心配なほどだし。
もう屋根裏の害獣を獲る余裕もないだろうしな。

当分はイノシシ肉消費に専念して猟はおあずけだもん。

また明日の朝に捜索を家族に手伝ってもらって、
ダメなら再発行とかしてもらうしかねーな。

けどもうやんねーから猟期終了間近に役所に電話してみよう。





それから夜中に家族が戻ってからイノシシを納屋に移すも、
皆でひっぱても重すぎて吊るすことが出来ず、
チェーンブロックを使用して吊り下げ熟成に入る。

夜は寒いので大丈夫そうだが、
明日も日中になると暖かくなるかもしれんし・・・



念のためハエ除けのためラップでぐるぐる巻きにしておく。






そして取れ取れの内臓を楽しみながら家族で反省会。



ドデカいレバーはレバカツ、甘辛煮。
それでもまだまだ食いきれない。



新鮮な心臓と大動脈はシンプルに焼肉で。



マメとセロリの炒め物。
赤モツで一番好きな味だなぁ。



そしていろいろ凝縮したモツ煮込み。



先の聖戦・・・  ジハードを乗り切った後のこの正義の食卓。

うまくて、感動で胸がいっぱいで・・・・




父「まだいるんだろ?」


私「っぽいね。」


父「あんなのは一匹でもほうっておくわけにいかんな。
  どんどん獲れよ。」


私「うん。でももう猟は当分やらん。
  獲れても保存できないし。
  登録証も落として消えたし・・・  明日皆で捜索ね。」


父「猟なんかじゃなく駆除しろって言ってんだ。」


私「いやじゃ。
  駆除でも結果的に肉を無駄にすることはしたくねーし。
  それは俺の信念とポリシーだかんね。」


父「そんなこと言ってる場合じゃねーだろ。
  それよりどうすんだ今度から?
  お前も若くないんだぞ。 こっちだって毎回助けられるとは限らん。」


私「今回はたまたまさ。
  切れたんじゃねーもん。カシメが悪かったんだ。
  ちゃんとしたそれ用の道具を買うよ。」


父「またあのロープでやるのか?
  ちゃんとした箱罠にしたらどうなんだ?」


私「箱ならあるよ。山に。
  上まで確認行くのめんどくさいから今年は仕掛けてないけど。」


父「バッ・・ あのおもちゃみたいのか!?
  今回ぐらいのが掛かったらあんなもんぶっ壊されっぞ!」


私「かもね。
  でも逆にワイヤーメッシュの柔軟性が壊れにくそうで。
  あれはわざと硬さでなく柔らかさで勝負を狙ったつもりなんだ。
  (柔らかいということはダイヤより壊れにくい!
   トリッシュのスパイスガールはさ・・・って言ってもわからんだろうな。)」


父「・・・・・」


イノシシとのファイトを目撃し、
おまけに参戦を余儀なくされた父はくくり罠の使用に反対らしい。
でもイノシシはどんどん殺して欲しいらしい。




父「もうちゃんとした箱罠買ったらどうだ。 出してやるぞ金?」





ええ!?
マジですか!!??







私「本当に買ってくれるの?」


父「ああ。 買ってやるからそれで獲ってくれ。」


私「・・・・獲れってもその後がなー・・・・
  ちょっと考えさせて。」







私は狩猟はあくまでも自分の楽しみで獲ってるだけで、
結果的に駆除につながったと思って喜んでいるだけのことですが、
確かに、屋根裏に侵入してきたアライグマやハクビシンのように、
絶対に獲って殺してやらなくちゃな状況もあるわけです。

そういった駆除意識が先行する場合でも、やはり、私はその過程を楽しみたいですが、
それは差し迫った状況ではないから言えることであり、
余裕をこいてられない場合は、かつて封印した市販の箱罠の使用もやむをえないだろうと考えています。

それは例えば仮に誰かに頼まれたりした場合などで、
そんな時に「だから楽しいんだ」という破壊と修復を視野に入れた自作の罠を使用するわけにいきません。

しかし当然、仮にどんな方法であれ、やはり獲れた肉を無駄には絶対にしたくはありません。
ゲロマズの内臓とかは別にして。


けど、界隈で狩猟をする人間が減りつつある中で、
人から頼まれるということがこの先あるかもしれません。

猟友会?

近所にも10個近く、農家が猟友会にHELPを求め、
有害鳥獣駆除のために掛けた罠がありますが、
ろくに見回りにも来ず餌も入れず仕掛けっぱなし、
何してるんだ猟友会は、と文句が出てますよ。

餌を入れるのは農家任せ、見回りも農家任せ、掛かったら連絡しろって、
名義貸しの違法狩猟みたいなもんじゃねーか!?


そんなこんなな状況の集落の中で猟をして楽しんでいる私には、
自分では獲りたくないけど獲らなくちゃいけないような状況、
いずれはそんな時が訪れるのかもしれません。

そのために、駆除用の箱罠を所持しておいて、
いつでも期待に答えられるような男になっていなくてはいけないかもしれません。

しかも出資してくれるというスポンサーが現れた今はチャンス?



けど、先にも述べたように、
それだけでは仕掛けて獲るだけ、肉を無駄にするただのダメ人間。
それでは奪った命に対して失礼だ。

その命に報いることが出来るだけの設備、
それが例えイノシシクラスの駆除に重点を置くとなったときでも、
いつ獲れても対応できるだけの設備を整えておかねばなりません。



買ってくれるって言ってんだ。

買ってもらおうじゃねえか!!

その親父が獲ってくれと言ってるんだ。

獲ろうじゃねえか。

そして肉を無駄にしないように、
私は私のレベルを上げればいいじゃないか。


今年の猟期は転換期。
全てにおいて私はワンラックアップをしなくてはいけないことを悟る。




寝る前にちんちんスープで精力を補う。







翌朝・・・

精力はビンビンで目覚めたけど・・・


体中がギシギシで動けん・・・・・

全身筋肉痛の痛さで泣きそう。

会社休んじまえ。




頭を切り取り残りを半分の枝肉にしてさらに熟成。



横隔膜をから揚げでいただく。
ウッメー。 心臓風でこれは家族にも人気



そして切り取った頭の肉で楽しませていただく。



ほほ肉ゲットー!



ミミガ、ハナガーふくむチラガー(面皮)ゲット。



ほほステーキ最高・・・。
猪の肉部位としては最強肉だよな。



そして動画で紹介されていた顔の肉も使用した膀胱ソーセージ。




気管・食道のウルテ揚げ。

すんげー歯応え。
食うのに時間かかるけど、
テレビ見ながら酒のつまみにはもってこいだ。






熟成中にハエが卵を産み付けに来ているのを確認。

ラップしといて正解だったぜ。



熟成が終わり枝肉から部分肉へ。



聖書「食肉処理技法」のおかげで私もずいぶん上達したと思う。

私が紹介してから、この本を入手、参考にして、
素人ながらも解体が上達したというメールを頂き、
私も人柱覚悟で購入した甲斐があったというものです。

当時この値段を見て手を出すのは正直ビビッたもんですぞ。

けどほんとこれは手元に置いておくべき本ですよね。
食肉技術を磨くことも、ハンターとしての獲物への敬意の表れです。



うまくなればなるほど無駄がなくなる。



ということはつまり・・・





やはり。。。。

フリーザーキャパオーバー。



メイン冷蔵庫の冷凍室の中身を出してようやく収まった。



半分にした枝肉をモモ、バラ、ウデに分けたバラ部位を、
運ぶのを手伝ってくれた人に分けてあげなければ、
この先数日朝昼晩イノシシしか食わずに過ごさねばならないところだった。。。

危なかったぜ。

すでに家族はイノシシを食い飽きてきている。

楽しむだけならこれで猟期終了までも十二分に楽しむことが可能。




しかし今後、箱罠設置に向けての俺は、
いつ獲れても良いようにレベルを上げなければ。

田舎者の私は場所だけは十分にあるのだ。




この納屋の一部を獲物解体専用の秘密基地にしてしまおう。

今回のように日中に気温が高くてハエの活動があるときでも、
一匹のハエすら侵入できないような、
密閉され、かつ空調完備の熟成に備えた解体部屋を作るぞ!

梁にも補強を入れて、イノシシの2、3匹でも吊るしておけるようにしよう。

解体時にここで水を使って出来るように、
一部をコンクリート施工、排水をもしっかりとする。

お湯も使えるように、石油ボイラーも完備しよう。


そうと決まれば、その部屋が完成次第、
再び中断を決意した猟を再開できる!

さっそく、役場で狩猟登録証再発行の手続きをしてきた私であった。


さあ工事に取り掛かろう!

しかし、場所はあっても金は無い、時間は無い、
おまけに手伝ってくれるような知人もいない私だった。

罠には投資をするといった父であるが、
消費できない肉なんか誰かにあげて残りは埋めちまえ という考えの父から、
その他の設備費用の投資まで望めない。

古民家修復のために地道に買い溜めてる材木を回すことにして、
日々コツコツと解体&熟成部屋の作成に時間を費やす私であったが、
相手は作られて古く、放置されてからも何十年と経つ納屋である。



さっそく片付けてリフォームに着手するも・・・


基礎はぐらぐら、土台はボロボロ、
切って張ってで内側に部屋を作るだけにはいかず、
納屋そのものの補強から入らねばなりませんでした。

まぁもともとぶち壊そうと思ってた棚屋だしなぁ・・・

古民家を自力で改装しようとしている私なので、
材料と時間があれば何とかできるには出来ますけど・・・・



鎌ホゾとかマジ大嫌い。



まぁ上出来か。



各所のグラグラウンコ岩盤基礎をコンクリで補強。



こうして限られた週末と、なけなしの金と労力を費やし、
狩猟を中断しハンターレベルの底上げに専念する日々が続くのであった。

いやはやはたして・・・・



猟期中に完成するのでございましょうか?



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