12月23日




朝、外の罠の確認を終えて最後に屋根裏の1号の確認に行こうと、
屋根裏に設置した照明のスイッチを入れると何やら気配が!






ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!





ただならぬ気配。



これはまさかのまさか!!


はしごを登ると・・・・






おお なんか掛かってるぞ!!!





城主捕獲


やったぜ・・・・

とうとう年貢の納め時だぜ!!!



この前の朝にバケツで挑んで、夜中には樹上から落とそうとして、
かなりストレス与えたからもう戻ってこないかと思ってたけど・・・

粘り勝ちってところかな。

お前、同じやつだよね?


まぁ影武者でも死んでもらうけどさ。






久々のハクビシン。

俺の出現にビビって ガシャン ガシャン っと逃げようとする。


まったく・・・・

お願いしますよDIOさん。











そういうこと。




おお!

「カッ」 ってなるよ 「カッ」 って。  動画




うぅぅぅ〜〜〜 ゾクゾクゾク〜〜〜〜。


ほんとアライグマとは性格が違うよな。




ただね・・・そんな今さら威嚇されてもね・・・・・・













そーゆーこと!






と、ここではギャグ入れて書いてますけどね、
駆除として捕れたことは流れとして良し なんだけど、
市販の罠だからか安心感が強いというか作動すれば獲れて当然というかなんていうか・・・・








つまんねえ。






俺は狩猟はもちろんだけど、
駆除であってもどうも捕獲の過程をもっと楽しみたいらしい。

そういう意味では市販の罠ってのは俺にはどうも向かないようだ。

実際に新兵器で獲れて、自分が罠猟において求めている何かを再認識。

苦労している自分に酔いたいというか、
Sな行為をしながらも実はMっ気を求めているというか、
Mを経験するからSにもなれるというか・・・・?


なんともうまく口で説明できませんが、
よって市販ものの拾った新兵器1号、
2号についても頂いたもので申し訳ないけれど今後は封印とし、
切羽詰まった駆除以外では使用しないことにしますわ。






まぁ・・・・今後の方針はさておいて・・・・




この糞垂れにデスブリンガーの一撃をくれてやらねえとな。










さっそく棒とロープを準備して首をくくって引きずり出そうと試みるも、
手使いがうまくてなかなか思うようにくくれない。
さすが木登り上手。




てこずりながらもうまく首が入ったところで瞬時に いまだ! っと括ったところで手ごたえ。

グルグルと暴れるハクビシンを強引にそのまま引きずり出すことに成功。

しかし、ヤツはくくられる瞬時にそれを手で回避しようとしたらしく、
くくることができたのは右前足だった。






ヤバイ!




首ならともかく、これだと向かってきて反撃される恐れも!

とっさにデスブリンガーに手を伸ばし振りかぶる。

やつもヤバイと感じてるのか俺からは距離をとり、
ロープをぐいぐい引っ張った状態で前足をくくっている輪を食いちぎろうとしている。

左手でちょっとづつ手首に巻きながら手繰り寄せ、
反撃されないよう間合いをつめる。

しかし・・・

まずい・・・外されるかも!


そう思うとつい反射的に一振りが出てしまった。






バシ






は 外した!!






あせったためか破壊力もなく、しかも頭部を外してしまった。

ハクビシンにしたらたまったもんではない。



ガフーツ!


っと、痛みと怒りで大暴れ。

俺は俺でパ二ック状態で次の狙いが定まらない。






ようやく大暴れするのをやめたハクビシンだが、
威嚇音を伴った呼吸に低い臨戦態勢をとり、
鋭く、それでいて潤んだような眼光が俺に向けられている。




くっ・・・・・・



なんて目をしやがる・・・・





意を決し、今度こそ! っと2撃目を見舞うも、
何故か力、速さがこもらずやはり悪戯にダメージを与えてしまい。。。



3撃目でどうにか頭部にヒットするもクリティカルにに至らず・・・





グゥゥゥ・・・・




呻き声をあげながらふらついている奴に対し、
今度は両手持ちでドタマに渾身の一撃!





カコン!













・・・・・決まった・・・・・・。

















・・・・・
















































































なんだこのものすげー罪悪感は・・・・・。













































間違いなく     俺は地獄に行くと思った。







































・・・・・・・・・本当にすまなかったと心底。






































打突における大事な「心・技・体」が全く一致しなかった。

全身全霊の怒りと感謝と慈悲の思いを込めた全力の初太刀で決めてやらねばならないのに・・・・

さらに一撃目を外したことでパニクってしまい、続けて打つ間隔も大分開けてしまった。



なんとかやつの意識を飛ばしてやったが・・・

俺も今まさに心臓を罪悪感に握り潰されそうな心境。
自分自身で努力して心臓をポンプして血液を体に送っているみたいな感覚。


マジでヤバイ・・・


アライグマやイノシシのときのように、
一発で意識を飛ばしてあげた後、
無意識、反射からくるような痙攣のようなもがきや声とは違う、
意識的にその体で! その目で! こちらに怒りと痛みを訴えられることの違い。






こんなにものしかかってくるものなのか・・・・









まぁ・・・・・

今後もそういうこともあるだろうからな。

初太刀が決まらなかったら間髪入れずに次の攻撃を繰り出し死ぬまで連射、
瞬時にこの気持ちへの切り替えが大切だな。 相手のためにも。








ほんとマジめんご。








(お前さー・・・)



ん?





(ムカついてたからわざと外して苦しめたんじゃねえだろうな?)




なわけねえだろ。






(またくるぜ 愛護ちゃんの愛に満ち満ちたおてまみが・・・)





ねー。

でもマジにすまん  って思ってるよん。


別に言い訳するわけじゃねーけどよ、
失敗しよーがなんだろーが俺は逃げずに仕止めて見届けようとしてるんだぜ。


オメーらは昨日食った豚肉の最後を見届けたことが一度でもあるかよ?

自分で止めさしたものを食ったことがありますか?


動物だろうが植物だろうが本来自然体であるべき、ふれるべき命なのに、
食われる側は量産システム化で生み出されて流れ作業で解体されて、
誰が食うかもわからないどころか、期限切れで捨てられるかもしれない流通に乗せられて、
食う側のオノレらはそれがどこでどう生きてどういう経緯で並んで何が入っているかもわからず金だけ払って食ってんだろ。
いただきますも言わねーで。

抗生物質入りのバラ撒かれた餌を食ってるだけの養豚場の豚みたいな人間が、
食いたいものや殺すべきものを自ら殺しその罪を被っている俺に文句垂れんなよクソ野郎共 って感じ。

まぁ俺もスーパーの肉も食ってるけどよ?





(ヤバイっすヤバイっす。そろそろやめましょ。言い訳どころか挑発入ってますって。)




うるせーよ!



だいたい俺はな・・・・・


このハクビシンのこと一生忘れねーぜ?



自分で獲ったアライグマもイノシシもちゃんと記憶に残ってますよ。

つーか脳裏に焼き付いて取れねーよ・・・






(特にお前の場合はたいして獲れてないからってことじゃ・・・・・?
 あんた狩猟初めて何年目? ヘボいにもほどがあるだろ??)








あ、すいませんでした。 黙ります。














おっもーい!

早いとこ首を欠き切って血抜きして、
完全に息の根を止めてやるとしよう。





うーむ・・・ブクブクに太ってるぜこいつ。


・・・・・


ブサリ





ドバドバーッ  ゴクンゴクン











やってのけるわけねーだろが。


シビれんなよ あこがれんなよ。

どこまで俺を勘違いしてるんだ お前たちは。




けど血液ってのは完全栄養食みたいな話も聞くし、
ブラッドソーセージなんてのもあるし、
スッポンの血割も飲んだりするし?

タルカス法はともかく、そのうち放血時の血液は利用しなくちゃだね。






とりあえずその毛皮頂くぜ!

毛皮なめしの実践をしないとな。

失敗したら捨てるけど、うまく出来上がったら屋根裏に張り付けといてやろうじゃないか。

こいつの魂も報われるだろう。



つーかマジ脂がすごい。

これでも皮を剥ぐときになるべく皮を傷つけないように深々とナイフを入れて、
皮に大量の脂を残してを剥いだのだけれど・・・。

ハクビシンの干物にしてみようと思うので、
脂は取り除くことにする。




さらに皮に取り残した脂も集めると・・・・



スゲーコレ。

間違いなく体重の半分は脂です・・・・。




剥ぎ終わった皮を流しに置いておき、
寒くて鼻水ダラダラだったので部屋でコーヒータイムで和んでいたら外に車の音が。

窓を開けて見るとどうやら宅配便らしい。

運転席から降りた兄ちゃんが入ってきて、
吊るされて血の滴る肉塊と広げて置かれている毛皮に気付いたらしく、
「ナンダコレ!?」って感じで見ているのがわかった。

俺は思わずニヤリ&ガッツポーズ。

外に出て行って声をかけると、
他の人の住所がわからなくて聞きに来たという。


「〜さんか〜・・・聞いたことありますねー・・・
 隣の隣の隣に似たような人がいたような気が・・・
 部落の名簿とかで調べましょうか?」

「や、いえ、やややはり ケッコーデス。」

「そっすか? 直ぐわかると思いますよ。」

「いえ、ほほほんと、こちらで調べますんで・・・」


・・・

じゃあはなから聞きにくんなよ。って感じなんだけど。


たぶんヤバイやつだと思われたんだろうな。




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