12月28日 つ、ついに・・・



猟期が始まってから自宅の山にシシチビリ3セット、ブタ箱2セットを設置していたのですが、
チビリは空ハジキ、ブタ箱にいたってはうんともすんとも・・・。

空ハジキはおそらく・・・いや、狸系の奴に違いないだろう・・・・と思う。

猪がシシチビリをはじいているのであれば、
そばにある餌入りのブタ箱にも何らかの動きがあってもよいはずだしな。


ということは・・・・うん なるほどね。

たぶんだけどね・・・

今ね、 イノシシいないよ うちの周りには。

ユリとか米とかのときに脅しまくったからかなぁ・・・爆竹やロケット花火で。

そういやトレイルカメラにも写らなくなったし。

食いもんがねえからかな・・・。





でもそうなると・・・・

イノシシ族に復讐するには、少し遠出しないとならないな。

実はしばらく前に、車で10分くらい離れた山に、
去年の鎮西(ちんぜい)のようなイノシシ達のオアシスを発見していたのだった。

コードネーム「第2鎮西」と名付け私のお気に入り猟場としてリスト入りさせたものの、
ちょっと遠いし、罠を仕掛けても毎朝の見回りがおっくうなので、第1鎮西と同様に見送っていたのだ。


昨日の土曜から、すでに会社は実質休みに入ったようなもの。

さらにここ数年、正月は家族で旅行に出かけていたのだが、
「今年は復讐に専念します」 ということで私は旅行から外してもらい、
(強調性がないと家族より非難の嵐)家で正月を迎えることにした。

というわけで、約10日間は自由に動き回れることになった私は、
さっそく昨日の休み初日に第1、第2鎮西に赴くことにした。

復讐だというのであれば、自宅に来た猪を捕獲すべきだけど、
いないんじゃしようがし、それにイノシシを喰いたいんだよ 俺は。

にしても、いない場所での待ちぼうけ罠猟では話にならん。


猪族であればどこのやつでもかまわん。

遠出の攻め手八つ当たり猟決行だ!!!






第2鎮西

マゴノカミがいるに違いない。



ヌタ場がありそこら中に足跡。

このヌタ場の濁り具合と足跡の真新しさ!

かなり近い時間に訪れた可能性が高い。
期待大。

ここは狩猟可能だが銃猟禁止区域なので、
犬が入る心配が少ないのも嬉しい。


ヌタ場の手前に倒木があり、
猪がこれをまたいで行き来しているらしい。



さっそく倒木の前後にセット。

罠は倒木に固定することにする。

倒れてから古く風雨の影響も受けているようだが、芯はしっかりしているようなので、
耕運機の4WD牽引にも折られずに持ちこたえられそうだ。
そのまま引きずられても、周囲の杉林で引っ掛かるに違いない。



カモフラージュを施し、標章と罠設置の目印を付けて準備完了。





そして今日、昨日の今日だし、いつもの如くどうせ掛かってないだろうと、
散歩みたいな気持ちで確認に行ってみたのだった。











               ?






な、なんかこっち見てるぞ!?








あ! あー!

掛かってるぅ!!!








ブヒ
イヨーーーッシャーーーッッ!!!!







ブヒブヒ


信じられなかった。

っていうかやる気は十分だけど、正直どうせ今年もボウズだろうチックに考えていたんだよ。



先程も述べた通り、散歩のような気分だったので何も持っていなかった。
カメラと誤作動していたときに仕掛けなおすための穴堀スコップだけだ。

脅かさないようにゆっくり近づいてちょっと動画を撮らせてもらったあとに、
(ピコピコシッポが癒し系・・・・最後ちょっとビビらしちゃったね。)
Bダッシュで自宅に戻り、木刀、ロープ、ナイフを持って舞い戻ってきた。


猪は大きくない。犬位の大きさだ。


だが木刀を持って近づけば、逃げる動作に交えて一丁前に突進を試みてくる。








ふん!







俺はな・・・




パワーうpしているのだよ。




迷子になった時に出くわした猪や、
田んぼで対峙した猪ほどお前は大きくないんだよ。



ビビりません。(はげしくウソ)








さて・・・・


駆除のためもあり、食材として利用するにも、
この猪を殺さなきゃいけないわけだけども・・・・






正直、大きさ的にもかなり気が引けるね・・・・







でも・・・・殺すぜ・・・。


ああ! そうさ!!   ぶっ殺してやるぜ!!!


お前らのおかげで今年は苦労しまくったんだぜ!!!!


大きさなんか関係ねえよ!!!!!


せっかく獲れたんだぜ!!!!!!





それに、よくテレビなどで箱罠に掛かった猪が晒し者のようにされ、
集まる人間たちにビビッて網に突進を何度も繰り返し血だらけになっているシーンが良くあるが、
あーいうのは俺は好かん。

「早いとこと止めを刺してやればいいのに・・・・」って思うことがある。

この猪にしてもそうだよな。



と、気が引ける自分、
一瞬、罠を仕掛けたことを後悔するチックな、
狩猟者失格的な考えをちらりと持った自分がいて、
殺んなきゃならんのだ と後押ししていた。








スーパーへっぴり腰でゆるりと近づき、
おもむろにオニオンソードをふりかぶり猪の眉間に狙いを定める。


手を抜いてはいけない。

こいつのためにも一撃で意識を飛ばしてやらねばならない。


















・・・・・・・・・・・すまん!

















ヌォオオオオオ!!!!













飛天御剣流ひてんみつるぎりゅう 龍槌閃りゅうついせんもどき! (ただのメン)











ヒュンッ






カコン!             パ キャッ
  








ブキッッッ・・・











一撃がきれいに決まり、猪は一鳴きをあげてヨロリとその場に伏した・・・


















・・・・・






























やっちまったか・・・・



























ヒットした音と同時に耳を突いた鋭く乾いた音・・・・

















折れたーーっ!!!


ボンバイエー!

最強のオニオンソードが・・・・

まぁ何年も外に置きっぱなしだったからな。

まだ予備があるからいいけど、これは風を切るように溝が作られていて、
素振りのたびにヒュンヒュン音が出て気持ち良かったんだよね・・・






・・・・

息はしているが意識は吹っ飛んでいるようで、
時たま痙攣のように手足がもがいている・・・。


早いとこ血抜きをしよう。




手ごろな木を見つけて吊るそうと試みるが、
ロープが細くて手に食い込んでなかなか思うように吊るせない。

まぁ、ある程度斜めになってるからいいか。

ここまでするのもかなりいっぱいっぱいで、
場所も場所なだけに着ていた上着が泥だらけになってしまった・・・。





・・・・

紛らわしい姿かたちしやがって。
どこからどこまで首なんだ?

よくわからないので、前足の付け根から横一文字に、
首を切り落とすつもりで深深とナイフを入れた。















ブキーッ!!!

ブキャーッッ!!!!!!











ブシャァァァーーーーーーー・・・・





ガッッ ガッッッ ガッッッッ・・・ ・  ・






刺してナイフを引いたら、意識の吹っ飛んでいた猪から、
人間の悲鳴の如き叫び声がして静かな山間部に響き渡った。

勢いよく血が噴き出し、切り口から呼吸音が聞こえ・・・おとなしくなった・・・


噴き出した血は軍手を浸透して皮膚まで伝わり、
早朝で気温が低いのも加えてかとても熱く感じ、
ナイフで開けた首の切り口、地面に溜まった血液からは湯気が立ち上っている。



今! まさに生きていた命があり、
この俺の手で終わらせてしまったのだと、
なんていうか・・・恐ろしいほどに実感できる・・・。


「死」を感じることによって、「生」を感じる瞬間。



四足の中でも大型の部類なわけで、
やってしまったあとの「やっちまった感」は一際大きい。

アライグマと違ってイノシシ=狩猟、駆除の対象という意識があったつもりだったんですが、
なかなかどうして、いざとなるとダメなもんです。



やばいやばい、また難しくなりそうだ。

田畑を荒らす害獣を減らすための駆除目的もあるし、
何より俺は食べたいってのがあるわけ。


そんなわけで、大型なだけに「食材としての価値観」も一際大きいのよ ウフ。




しかしスゲーなー。

大して大きくないくせに、一夜で地形が変わるほどにほじくり返している。

鼻パワー恐るべし。 まさに耕運機。




わかる?


いや、わかんねーだろーなー・・・・



どこの誰が食うかも解からない食材になるために、
流れ作業で作り出されては奪われていく命と違って、
俺の場合のこの猪に対するものは違うんだなー。

俺はこの猪をぶっ殺したけどさ、もう・・・なんつーの・・・
この猪をものスゲー尊敬してるからね、うん。

そして食材になったときにさらに尊敬しちゃうだろうね、うん。



それにね、
ここでは捕獲から止め刺しまでギャグチックにおちゃらけて書いてますけど、
その場ではそんな気持ちは微塵もねえよ。

止め刺して血抜きした後、しばらくぼーぜんとしてたかんね・・・
それでいて心臓が変に高鳴りしていて・・・・




で・・・・しばらくして・・・・ふっきれた。













記念撮影 イエーイ!!!



 ・経験値1200


 ・管理人は「突進」をラーニング


 ・クリスタルに宿るいにしえの勇者たちのちから

   ヘボ罠仕掛人(ブービートラッパー)


 ・お宝 デスブリンガー











う・・・・・うう・・・・・・


・・・・く・・・・・・・・・


とうとう暴走耕運機をこの手に・・・・




長かった・・・・・・


長かった・・・ぜ・・・・・(涙うるうる)






思えば・・・山の筍をやられてウンコに迷子、米、ユリ      って













長くなるのでそのへんは省略します。






八月九月の日記をお読み頂いていた方は、
少しは私の怒りを理解していただけるかと思います・・・








さぁー 持ち帰って肉にすんぜ!





罠はこんな感じで作動していた。



私の妄想ではこんな感じで、
後ろの蹄も巻き込んで縛り上げる予定だったのだが、
直径12cmのワッカに、うまい具合に後ろの蹄まで踏み込んではくれないだろうからな・・・

とりあえず結果オーライ。





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