2月9日





罠猟の場合、罠を仕掛けたら、
目的の獲物であればすみやかに止め刺しし、
非狩猟鳥獣や目的外の獲物であればすみやかに放獣するために、
頻繁に見回りをするよう決められています。

もちろん、今では銃猟だけでなく、
罠猟にもハイテクの波がやってきているようで、
発信機というハイテク機器を駆使して、
見回る手間を省くという方法も確立されています。
足腰の弱いお年寄りの方には、なかなか良いシステムですね。

私の場合は、試作品を仕掛けては、
通常通り、毎朝出勤前に15分〜30分ほど見回りに出かけています。

そりゃね、お金がなくてハイテク機器が買えないってのもあるんだけど・・・
この見回りが!
罠猟の醍醐味の一つなんじゃないでせうか?


罠をかけた場所まで向かうドキドキ感が・・・・たまらない。。。。。。


はずなんだけどね!

私の場合、せっかく大型獣用の罠を試作したのに、
仕掛けている自宅では一向に獲れる気配がなく、
見回りも、ただの朝の散歩のように、
仕掛けた場所に行って帰ってくるだけのことになっていたり。

時たま、アライグマやハクビシンだろうか、何かによる誤作動はあったけど、
イノシシ用くくり罠には、締め付け防止金具があるので、小型害獣共は捕獲できないようで。

耕運機どもにいたっては、
掛かる掛からない以前に、現れた気配すらありません。
足跡も全然見かけてないし。

まぁ、それはそれで、
害獣が少ないということで良いことではあるんだけどね。


でもね・・・狩猟としては・・・




獲れなきゃつまらないのよね!




小型害獣どもの友遊的捕獲方法は箱罠で確立できているとして、
おらは、大型害獣の友遊的捕獲方法を確立したいのね。


このままではだめだ。
砂漠に地雷を仕掛けたって意味がない。
猪が踏んでくれないと実験にもならないっつーの。

そこで先日、自宅から視野を広げ、
猪達のオアシスを求めて近所を散策することにした。




歩いて10分くらいの近所の山の藪の中を進んでいく。





うおっっっとぉーー!!!

な、なんだここは!







そこらじゅう足跡だらけじゃねーか!?





こ、これらは!?

ヌタ場と呼ばれる、猪が寄生虫予防のために、
泥の中でのたうちまわった痕跡だろう。





沢もあり、サワガニもいるぞ!


間違いない。

まさにここは猪達のオアシス、いや猪神達の聖地にちがいない!


コードネーム鎮西(ちんぜい)と名付け、俺のお気に入り猟場に指定し、
馬鹿になってしまった猪神達を、ただの肉として狩ることにしよう。
文句あるか、乙事主様。


ブキー!!!


言葉までなくしたか・・・




鎮西の谷場から、周囲の各斜面へ、イノシシの足跡が続いている。

その足跡の一つを追って、山の尾根へと向かう。




こ、こ、こ、これはーっ!

木の横に泥が・・・

自然現象ではそうそうありえないこと。
ヌタ場でついた泥を、イノシシがゴシゴシとすりつけた跡にちがいない。
狩猟読本で読んだことがある、コスリ木だかゴシゴシ木だかシコシコ木だとか呼ばれてるやつだ。



んーむ・・・
近所にこんな場所があったとは・・・
まさに灯台もと暗し。


さっそく罠を仕掛けよう!





♪えんや〜こ〜らさー♪

♪すでにー! おまえらは俺の物〜♪



工夫として、板を踏まれたときに、
板だと感づかれないように泥を塗っておく。



カモフラカモフラ

ヌタ場と、ゴシゴシ木の下にも仕掛けてやったぜ。




この足跡・・・

いくつかある足跡の中でもずば抜けてでかい。

後ろのヒヅメも考えると、くくり罠の直径12cmを超えてるんじゃないのだろうか?

(まぁ、気にするな。
 そもそもおまえに猪は獲れねえだろうからよ)

はい そっスね。
でも夢ぐらいみさせてちょ。



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