05 最南端行ってみたい! 8 |
18/1/5(木曜)
出発してからしばらくして、 さみーのに加えて雨も降って来た。 安倍川橋の下に避難する。 雨宿りしてると、雨は雪へと変わってきたので、 出発することにする。 つーか一号線が高速みたいでものすごく怖い。 原付が全く走ってないのだが、 50ccは走っちゃいけないのかな? 腹が減り、道の駅富士に寄って昼飯にすることに。 道の駅に着いてすぐ目に入ったのは、 荷物満載のカブ。 「おおーーー! すばらしい!」 飯を食べて一服しようと喫煙所へ行くと、それっぽい人が本を読んでいた。 カブダーか!? 私「失礼ですけど、もしかして、カブでツーリングしてる方ですか?」 彼「いえ、僕は自転車で・・・・」 あれれ? 人違いだったようです。 っていうか、ホームレスだったようです。 一服していると、もう一人、それっぽい人が近寄って来た。 彼「表のカブで走ってる人?」 私「あ、はい、そうです。」 どうやら、私の停めていたカブに気付いたようで、 向こうから見つけてくれました。 このカブダーさん、名前をヒデさんといいまして、 全国津々浦々、カブで旅をしている大先輩でした。 正月に和歌山は潮岬で、仲間と集まるために、 毎年通っているそうで、その帰りだとの事です。 ヒデさんによると、この先は大雪で道が通れないらしい。 道の駅のタッチパネルの情報でも、通行止めや、チェーン規制のオンパレード。 通れる場所は無い。 話し込んでいると、バイクで実家からアパートに帰る途中だという、 ЯOKIさんがやって来た。 もちろん帰ることはできない。 さらに、浜名湖で一緒に泊まったシュウタク君がやってきた。 百円ショップで手に入れたという反射テープが目立つ。 皆で話し込む。 シュウタク君は、知人宅に泊まるとの事で、出発。 ЯOKIさんは、もう一度実家に戻るとのことになった。 下りの玉突き事故による渋滞に目途が付いた頃にお別れ。 自分は、ヒデさんとここ(道の駅富士)に場所を借りて、 テントを設営して明日を迎えることにした。 せっかくなので鍋物を一緒に食べることにして、 近くのスーパーに買出しに出かける。 さすがはヒデさん、ここ、道の駅富士に泊まるのは数回目ということで、 周りの状況を良く把握している。 鍋には、先ほど親しくなったホームレスのNやんも参加。 Nやんってば、多々なる問題を抱え、今ある生活に身をおいてはいるものの、 時間のあるときは、本ばかり読んでいるらしく、 また、自転車で日本各地を渡り歩いているそうで、 とにかく物知りで、頭も相当切れるようなのだが・・・・ ツーリングと、そして人生の先輩方との夜は更けていき、 Nやんもどこぞかの塒へと消えていった。
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18/1/6(金曜)
とりあえずテントを撤収する。 Nやんは、どうやらトイレで寝ていたらしい。 カブツーショット。 やっぱ寒くて、雪もちらほら。 しかし、道の駅の情報によると、 チェーン規制や通行止めは解除され始めているようだ。 せっかくだし富士山の回りを一周してみよう。 昨日出会ったЯOKIさんによれば、 人穴とか、白糸の滝とか見所もあるらしいし。 8時、ヒデさんと、Nやんに別れを告げて出発。 R139を北上。 そして、白糸の滝の駐車場へとやって来た。 誰もいない。 滑らないように注意して階段を下る。 カチャカチャカチャカチャ、 やはりスパイクは良い。 ははぁ・・・ 良いもんですなぁ。 ちゃんと向こうに富士山も見えるし。(うっすらだけど) っていうか、この滝を独り占めしているから、さらに良く感じるのだね。 よし、次、人穴行ってみよー。 UP 県道71を北上し、やって来た鳥居。 人穴は神社の中にあるそうな。 薄暗くて、寒くて、誰もいなくて、 神社に進入するのが、何だか怖いんですけど。 う〜〜〜、おどろおどろしい。 生暖かい風が・・・ ギブ! ギブギブギブ! 入り口でアウトです。 こんな中で千日も過ごせるかっちゅーの! 綺麗なお姉さんでもいれば、強気になれるんですけど。 次、樹海行ってみよー。 富士山横目に、 上九一色村に入り、 やって来たは、青木ヶ原樹海。 樹海でチェキラ! 地縛霊じゃないよん。 おれっちだよん。 見て見て見て! うふふん。 奥へと続くビニールテープ。 さてと・・・・・ かの有名な、自殺を思いとどまらせる看板は、いずこにたたずんでいるのか。 かの看板を探すためのツーリングが始まった。 つーか寒いから。 ん〜〜〜どこだ〜〜〜? 本栖湖や精進湖の周りまで回って探し、 ようやく見つけた看板。 UP 自殺防止看板 穴ぼこや落書きで、なんか・・・ 余計切なくなってくるね。 全然目立たないし、もっと華やかな作りにすればよいのに。 いじめにあって苦悩して、ここに迷い込んだ一人の願望者。 看板の文字を読んでためらうが、 その汚れと、落書きを見て、 自分の机に、いじめっ子に書かれた落書きを思い出す。 そして彼は、この看板を見て決心する。 やはり奥へと突き進もうと。 なんてことにならないようにさ。 ふと後ろを振り向くと、 ゲッ!!! 花が添えてある・・・・ って事は付近で・・・・ さ、さいなら〜 ダッシュで樹海を抜けた。 樹海キャンプは恐ろしいので、 山中湖手前まで走り、林の中でキャンプ。
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18/1/7(土曜)
寒い〜。 テントが凍る。 幽霊どころじゃないぜ。 寒くて寝れない〜〜〜〜、イテテテテ。 ラジオによると、河口湖付近はマイナス10度程だと言う。 ペットボトルがゴッチゴチ。 朝4時ごろから、水を溶かし飯の準備をする。 飯を炊き、納豆をかき回す。 納豆が凍ってる。 卵を割る。 ボシャ・・・・・・・シャーベット状になっている。 何だか・・・新食感だぜ! 寒いので、昼頃までテントで休んでから出発。 R138を南下。 山中湖。 コチコチ。 途中、ランドリーを見つけて洗濯をするが、 管理人のようなオバハンがうざい。 不審人物と思われているようだ。 そんなオーラがひしひしと伝わってきた。 洗濯を終え、御殿場温泉へ。 ここに来るまでに、そこそこの坂があるんだよね。 帰りは登れるかな・・・・ 風呂の中から富士山が見れるのだが、 雲がかかっていまいち。 茹でたての温泉卵ができたというので購入し、 なんとか坂を上りきり、箱根裏街道を通って小田原へ向かおうかと。 しかし、乙女峠を過ぎる頃には、すでに薄暗くなり始め、 さらに悲しいことに、バッテリーが寿命なのか、 ライトが全く弱々しくて道が見えない。 しかも積雪や凍ってる道なので、 自殺行為に等しくなってきた。 これはまずい! と、 峠途中のカーブの空き地に緊急避難し、明日を迎えることにする。 卵、剥きづらい。
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18/1/8(日曜)
ガチャガチャガチャガチャ! チェーンの音で目を覚ます。 8時発。 小田原に出てから、ふと、高校の部活の合宿で、 伊豆下田へ行ったのが懐かしく思え、 R135号で進路を南にとる。 美人多し! スピード落とせ!! どこ? どこ!? ど〜こ〜に〜!!??? 人すらいないような場所にこんな看板立てんじゃねえよ! 期待しちまうだろうが!(効果大?) 爪木崎。 懐かしいなぁ。 この辺の磯で取ったウニで、発生実験をやったっけか。 何気に生物部だったり。 弓ヶ浜。 その名のとおり、弓のようにしなっている浜辺。 ちょっと早いけど、今日はここにキャンプしよう。
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18/1/9(月曜)
伊豆半島も残り半分だ。 R135からR136に変わり、北上する。 ネパールカレ〜! なんだよこの不気味な看板は! ふと目の前に恋人岬なるものが見えてくる。 私はいったいどこにいるのだろうかと、地図を確認。 すると数キロ先に旅人岬なるものを見つける。 恋人岬なんぞクソ食らえ! 俺様は旅人岬を目指すべし。 でもってやって来た旅人岬。 よくわからんが、小説で「旅人岬」というのがあるらしい。 それを機に、ここに展望台ができたとか・・・ UP なんか夕日がすばらしいとか書いてあるけど、まだ昼だしなぁ。 ふと下を見ると、釣りしてる。 俺もやりたいなぁ・・・・ 夕日よりも、魚を釣って、それを食ったときのほうが、 「明日に望みをかけることが自然と許されて、 今こうして生きてあることに、自然と感謝したくなる」 もんだがな、私の場合。 どうでもいいけど、こういうもんをさ、 あの無機質な看板の代わりに、置いたほうが効果あるんじゃないの? 命を大切に看板の代わりにさ。 R136から県道17に道を変えて進み、やってきたは狩野川。 初日にここに泊まったんだよね。 つーわけで今回もここに泊まろう。 前回泊まった所は工事中で、侵入、もとい、進入できない。 少し離れた場所にテントを張って泊まることにした。
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18/1/10(火曜)
朝5時に目覚め、朝食を済ませ、再び寝入る。 すると、テントのすぐ脇に車を止めて、 ラジコンを飛ばしてるらしい人物が出現。 加えて、犬も放ち始めた。 なんだなんだ、嫌がらせか!? 音はうるせーは、バカ犬がテントの前室に顔を突っ込んでくるはで、たまったものじゃない。 シーチキンの缶詰の缶を前室において、犬をおびき出し、ぶん殴ってやろうと試みる。 テントの中から様子をうかがい、ボケ犬を待ち伏せた。 しかし、ボケ犬も本能で悟ったらしく、近寄ってこなくなった。 暖かい朝だ。 10時に出発することにする。 今日は三浦半島でも周るか。 県道19を通り、山伏峠を通過。 途中で湧き水を汲む。(下水じゃないよな?) 三浦半島を周り、再び久里浜港に着いた。 さて、乗るかどうか迷っていたら、 乗り込み誘導員のオッチャンが、 「急いで急いで! 後2分くらいで出ちゃうから! バイク1台でーす!」 と、言われてしまった・・・・ 仕方なく急いで券を買いに行き、乗る羽目になってしまった。 わたしゃ、ホームレス一歩前。 あ、違う意味の一歩前か。 おろろろろ。 まるでWATARIDORI。 散弾だったら何羽くらいまで落とせるかな。 金谷港に付く頃には日も落ちた。 港について、車がどんどん下船していく。 車は全て下りた。 しかし、私のカブの縛めは解かれていないので、下船できない。 周りに船員もいない。 忘れられたか!? しばらく待っていたら、思い出したかのように、 船員が走って来て、「ごめんなさい」と言いながら縛めを解いてくれた。 やっぱ忘れてたらしい。 無事、下船して走り出すが、 あたりはもう暗くなりかけている。 そうだ! やばい! バッテリーが弱いのだ。 危険を感じる前に、富浦の海岸にキャンプすることにした。 これが、今回のツーリングの最後のキャンプになるな・・・ 最後はやはりこれ。 このツーリングの間、定番となっていたものだ。 友遊デラックス丼とでも名づけよう。 飯を炊いたら、シーチキン一缶をのせる。 そこに、味塩コショウをお好みふりかける。 真ん中に卵の黄身をのせる(白身は味噌汁に)。 マヨネーズをぐる〜り。 ネギをたっぷり掛ける。 醤油をお好み。 黄身をつぶして召し上がれ。 力がつくぜ〜!
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17/1/11(水曜)
目が覚める。 さてと、のんびり帰りますか・・・ 釣りのポイントを探しながら、トコトコと走らせる。 以前働いていた店に寄ることにする。 そうだ! 同期に飯でもおごってもらおう! というわけで、 同期と飯を食べに行き、 夜、自宅へと無事に辿り着き、今回のツーリングは終了した。 五右衛門風呂。 疲れたからだが、芯から温まる。 風呂上りに、四国から送った酒を飲み、無事を祝った。 約2ヶ月ふらついてたわけか・・・・ 最南端に行きたいということで、 今回のツーリングに出たわけであるが、 最南端のキャンプ場に長居することで行かなかったんだよな〜。 まあ、気分は十分味わったから良しとしよう。 掛かった費用は、ガソリン代含めても10万かからなかった。 ガソリン代は12482円。 走行距離は6314キロ。 最初のうちはガソリンストーブを使用していたから、 バイクに使用したガソリン代はもう少し安くなると思う。 距離的には北海道に行ったときと同じくらいだが、 あの時はガソリン代が15万くらいかかったんだよな・・・・ そう考えると、ガソリン代がえらい安く済んだんだな〜。 そのぶん坂道とか、悪路で、えらい苦労はしましたがね。 まあ、そういったことも含めて思い返してみても、 当初の目的は厳密には達成してないものの、 とてもスリリングで、 そして達成感の持てたツーリングだったとお思います。
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