狸汁



狸汁・・・・

よく言われる狸汁はタヌキの肉を使用したものではなく、
アナグマの肉を使用したものであると言います。

カチカチ山で登場するのはババアの肉を使用したババ汁で、
ジジイが知らずにカニバっちゃったよって昔話。


今回はタヌキの肉を使用した、
アナグマ汁でもババ汁でもない正真正銘の狸汁です。


タヌキ肉・・・・

焼肉にしたらたしかに臭いがキツく、
それは口に入れる前も残り香もやばかったわけですが、
野菜とかと一緒に鍋にして味付けすれば何とかなるかも?

そこでアナグマ汁と同じ作り方でトン汁風にやってみたいと思います。


つーか「狸汁の味は悪くないぜ」と書いてある本があったんだぜ?




使用するのはタヌキの前足と胴体の肉。



とはいえやはり犬臭さがあるほうなので、
タヌキのガラを使用するのはやめて、
出し汁は昆布とカツオダシの合わせ出汁にしてみました。



たぬき以外の主な材料。

ニンジン、ダイコン、ゴボウ、ネギ、トウフ、コンニャク、手前味噌。



それぞれ具材用に切りそろえ、
ゴボウはささがきで酢水にちょっとつけから水切りしておく。


これで下準備は大体終わりかな。







鍋もいろいろあるけれど、豚汁といえばやはりこの鍋だよな。

林間学校とか中学の頃の新入生歓迎豚汁パーティを思い出すぜ・・・・



油をしいて肉を炒め、
色が変わったら今度はダイコン、ニンジン、ゴボウ、コンニャクを入れて炒める。



全体的にしっとりしたら出し汁を加えて一煮立ち。



アクが出るのでこれを丁寧に取り、
最後に豆腐を加えて一煮立ちさせ熱が通ったら・・・・・手前味噌溶くのだが・・・



蓋を開けた瞬間にムワァ〜〜〜〜



な、なんだ? 毒ガス!? テロか!!??



焼肉以上に獣臭せえ!


犬小屋の隅に溜まった毛玉の臭いだこりゃ!!



「ぐむぅ・・・・」





だがここまで来て後戻りはできない。

味噌を溶いて・・・・




器によそってネギを散らして完成・・・。



(途中までアナグマ汁のほぼ丸写しですなぁ〜・・・・。)



それは決して手抜きではなく公平に作ったという事ですよ。






感想



これが世に名高いタヌキ汁(本物)か。


さっきの臭いですでに食欲が沸かねぇ・・・・


スライス一枚一枚を焼くではなく、
肉をぎょーさん入れてタヌキスメルが大量分泌されてるところに、
蓋をしたことで圧縮し濃縮されたに違いない。 いや、そうだ。


このまま立ち向かえば狸汁、そして俺、
おたがいがこの場から消滅することになるか・・・

睨み合いとなり千日戦争ワンサウザンドウォーズになるかのどちらかだ。


「フッ ならば秘技をくりだす以外あるまい!」


これより俺は仏陀の教説を転じて迷いを破砕する・・・



転法輪印



オーム


迷いはさった!もはや狸汁を食べるのになんのためらいもない!
たぬき臭降伏! 食すべし 狸汁!!


なんてネタはともかく、狸汁を目前にしばらく無我の境地へ旅立ち思考を停止、
呼吸という最低限の生命維持活動を静かに無心で続けるうちに、
どうやらタヌキ臭さに慣れたらしく、
その先の味噌仕立てトン汁風味が鼻に感じられるようになり、
ちょっと味見ぐらいしてみようかなぁ?  という気に。



でもちょっとその前に箸の先に汁を付けて舐めてみる。


ふむう・・・・よくわからんな・・・



よし、じゃぁ直接口に取り込むぞ。



ズズ・・・コクン・・・


ムハァー



やっぱくっせー!!!!









しかしゴクンゴクンと飲むうちに、
ボロボロボロボロと直の攻撃で風味を感じる細胞が死滅していき、
どれどれちょっと肉でも? という気に・・・



おお!

やはり固めの豚肉のような味と脂の濃厚な甘みがすばらしいじゃないか!

しかし肉を飲み込んだ後の残り香はやはりキツイ・・・。

猟犬を連れたハンターのうんこクッセー車に乗りながら、
窓を閉め切って昼飯を口に詰め込んでいるようなつもりになればどうにか食えるが。


この匂いを乗り越えて口にさえ入れてしまえば、
肉自体の旨みはとても美味しいと思うんだよなー・・・・。


この感覚はめんそ〜れ山羊汁っぽいな!

要は慣れ。



(沖縄県人に謝れ!)



別に山羊汁がまずいとは言ってねーもん。

においでちょっと「うっ!」ってなると言ってるだけです。


まぁこの脂ギッシュで力強い肉・・・・、

相当精力というかパワーがつく気がするね。

狸肉を食ってるというイメージだけで火照ってくるというか、
盛りのついた犬のようにムラムラ発情しそうだよ。



へいそこの彼女! 俺とベッドで勝負しない?



( 臭いからイヤ。 )



ね。

いやマジに喰いすぎるとオノレの体臭が変化しそうで怖い・・・



 追記:翌朝になって残った狸汁を嗅ぐと臭いがほとんど気にならない・・・
    ふと冷え汁を口にするとあれうまいこれ! 肉を口にしても素直に受け入れ可能だった。
    臭いがこなれたのか嗅覚が完全にマヒったのかはたして・・・

    そしてそんな料理とは対照に、俺のほうは朝一のションベンの香りに一瞬  マークが頭に灯る。





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