これが世に名高いタヌキ汁(本物)か。
さっきの臭いですでに食欲が沸かねぇ・・・・
スライス一枚一枚を焼くではなく、
肉をぎょーさん入れてタヌキスメルが大量分泌されてるところに、
蓋をしたことで圧縮し濃縮されたに違いない。 いや、そうだ。
このまま立ち向かえば狸汁、そして俺、
おたがいがこの場から消滅することになるか・・・
睨み合いとなり千日戦争になるかのどちらかだ。
「フッ ならば秘技をくりだす以外あるまい!」
これより俺は仏陀の教説を転じて迷いを破砕する・・・
転法輪印
オーム
迷いはさった!もはや狸汁を食べるのになんのためらいもない!
たぬき臭降伏! 食すべし 狸汁!!
なんてネタはともかく、狸汁を目前にしばらく無我の境地へ旅立ち思考を停止、
呼吸という最低限の生命維持活動を静かに無心で続けるうちに、
どうやらタヌキ臭さに慣れたらしく、
その先の味噌仕立てトン汁風味が鼻に感じられるようになり、
ちょっと味見ぐらいしてみようかなぁ? という気に。
でもちょっとその前に箸の先に汁を付けて舐めてみる。
ふむう・・・・よくわからんな・・・
よし、じゃぁ直接口に取り込むぞ。
ズズ・・・コクン・・・
ムハァー
やっぱくっせー!!!!
しかしゴクンゴクンと飲むうちに、
ボロボロボロボロと直の攻撃で風味を感じる細胞が死滅していき、
どれどれちょっと肉でも? という気に・・・
おお!
やはり固めの豚肉のような味と脂の濃厚な甘みがすばらしいじゃないか!
しかし肉を飲み込んだ後の残り香はやはりキツイ・・・。
猟犬を連れたハンターのうんこクッセー車に乗りながら、
窓を閉め切って昼飯を口に詰め込んでいるようなつもりになればどうにか食えるが。
この匂いを乗り越えて口にさえ入れてしまえば、
肉自体の旨みはとても美味しいと思うんだよなー・・・・。
この感覚はめんそ〜れ山羊汁っぽいな!
要は慣れ。
(沖縄県人に謝れ!)
別に山羊汁がまずいとは言ってねーもん。
においでちょっと「うっ!」ってなると言ってるだけです。
まぁこの脂ギッシュで力強い肉・・・・、
相当精力というかパワーがつく気がするね。
狸肉を食ってるというイメージだけで火照ってくるというか、
盛りのついた犬のようにムラムラ発情しそうだよ。
へいそこの彼女! 俺とベッドで勝負しない?
( 臭いからイヤ。 )
ね。
いやマジに喰いすぎるとオノレの体臭が変化しそうで怖い・・・
追記:翌朝になって残った狸汁を嗅ぐと臭いがほとんど気にならない・・・
ふと冷え汁を口にするとあれうまいこれ! 肉を口にしても素直に受け入れ可能だった。
臭いがこなれたのか嗅覚が完全にマヒったのかはたして・・・
そしてそんな料理とは対照に、俺のほうは朝一のションベンの香りに一瞬 ? マークが頭に灯る。
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