マルチハンティング
タニシの食べ方 初心者向け



美味しんぼに登場したタニシ料理があまりにもクソだったので、
ちゃんとタニシの美味しさを伝えなくちゃと思いました。 



タニシを採ってきて茹でて食べて、
泥くせえ! あんまうまくねえ! と言う人がいます。

おまけに腹子も一緒に食べて、
茹でてなんか泥臭くてビショビショなところに、
赤ちゃんタニシの殻のジャリジャリ感を加えられて、
タニシへのイメージを著しく崩してしまった方も多い聞きますが・・・・




こんな泥に埋もれた暮らしをしてるんだから、
そのままゆでれば臭くて不味くて当然だよ。

食生活もコケごと泥も舐め食ってるような奴で、
吸水濾過タイプの二枚貝とも違うんだし。


ちゃんと下処理をしてあげてください。








採ってきたタニシは、だいたいが泥だらけのコケだらけ。



まずはたわしでしっかりと洗ってあげてください。

念入りに洗っても除去しきれないコケがありますが大まかで大丈夫。



ボールに水を張って活かして、
少なくとも4、5日くらいは泥抜きします。



最初のうちはどんどんと糞を排出します。
この小さい粒粒がおそらく糞。



体にも泥を抱え込んでいますが、
次第にぬめりのある粘液をどんどん出して、
それと共に体の泥もきれいに落ちていきます。

ので、最初の一日はそれこそ一時間おきぐらいにかき回して
新しい水と交換してあげましょう。



ちなみにこれが3日目にかき回した状態です。

3日目ですらこれです。

取ったままのタニシの甲羅を洗っただけで茹でている状態が、
どれほどにヤバい状態であるのかが理解できると思います。



何日も何回もかき回される効果と、
きっと食べるものもなくなりお互いになめ合う効果もあるのでしょう、
次第に甲羅もきれいになり糞も出なくなり、
数日後にかき回しても水がほとんど澄んだままとなれば下処理完了。




どうぞ茹でて食べてください。

一度でもそのままのタニシを食べて負のイメージのある人ならば、
これだけでマイナス感がプラスになるはずです。



しかし、特に初心者に味わってほしいのは・・・・・・



このおつゆの美味しさ。



このオロナミンCのような茹で汁です!!!

灰汁は濃し取ってありますが、これは泥抜き処理したからこそ得られる黄金の茹で汁で、
採取場所は同じなのに、採ったままのドブ貝を焼いたダム味エキスとは別世界の、
それこそしじみに負けるとも劣らないうまみと香りで、
まったく泥臭さを感じさせず、タニシの泥臭い世界観を払拭する汁なのです。

これをベースに再びタニシの身を加えてみそ汁などにしてください。




今回は、究極のメニューをまねた材料が残ってますので、
この茹で汁をベースに大根をじっくりと2時間ほど煮込んで、
刻みねぎを加えた合わせみそをかけ、茹でたままのタニシを添えて・・・・



趣味友遊流鬱病向け究極のタニシ料理
タニシのふろふき大根にしてみました。

シジミにも似た風味いっぱいの煮汁が大根に染み込み、
大根の持つうまみを究極にまで引き上げてくれている。

「これがタニシの茹で汁!?」

タニシへのイメージがガラリと変わったところで、
タニシの持つ本来の大地風味と、
噛んでるうちにしみ出てくる身のうまみを味わうために、
茹でタニシをほおばってほしいですね。

ここでの味噌はあくまでも調味料役。

泥臭さを抑えるためのものではない。





タニシの内臓


身を取り出そうとするとだいたい途中で切れてしまい、
内臓まではうまく出て来ないことが多いのですが、
内臓まで出たとしても・・・・



腹子を宿していることが多いです。

これは茹でて口にするだけだと、
ベシャベシャでジャリジャリとして、
美味しいけどあまり食感の良いものでもないので初心者向きではありません。

しかしこの腹子入りの内臓も調理することで美味しい一品に代わります。



身切れして殻に残った腹子いっぱいの内臓を、
ひとつひとつ金槌で割って丁寧に取り出します。



これに茹で汁とたっぷりの砂糖としょうゆを加え、
弱火でじっくり焦げないように煮汁がなくなるまで煮切ります。



タニシの内臓の甘露煮 甘酢生姜添え

こうして調理することで、
鯉の飴煮のように、川魚に通ずるようなタニシ本来の土臭さを、
抑えるのではなく 「らしさ」 を豊かにして味わえる一品となり、
また茹でたままで負のイメージのある腹子は、
川魚の甘露煮を食べた時の骨の食感のように、
全体的に食べ始めのキャラメルのように歯にまとわりつくような歯応えのところに、
サクサクっとスナック感覚の楽しいカルシウム感を添えてくれ、
「この料理は腹子が入ってなければダメだ!」と思えるようになるでしょう。


究極のメニューもせっかく魯山人で引きのばしたタニシを登場させといて、
あんなタニシのらしさを抑え込むようなクサレ料理を出してくるなんてなぁ・・・

卵一個で勝負してた時のように、
タニシだけの真価を求めるぐらいやってほしいよなぁ・・・。



あ、ちなみに・・・









だそうなので、生茹ではやめとけよ。



でも・・・・海原先生・・・

あなたが正しい材料を正しく使えるのは誰のおかげなんですか?

正しい調理法が見つかってるのは、
かつて誰かが冒険してくれたからってことでもあるんじゃないの?

その昔・・・・
誰かがフグ一匹食ったら死んじゃって、
でも肉だけ食った奴は生きてて、
でもキモ喰ったら死んじゃって、
試しにヒレ焼いて酒入れたらうめーじゃねーか!みたいな感じで、
成分分析もできない時代にも冒険者が在るが故に、
正しい調理法が発見されたのではあるまいか?



俺はそういう挑戦精神を持った冒険者が好きなんだよ。

調べてもわからない未知の興味へ向かって、
例え死ぬことになっても何かを探ろうとする冒険野郎がな。



まぁ・・・・

俺はもうそういうバカな真似はしないが、

やる奴はぜひ応援してあげたいよね。



頑張れよバーカって。






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