仏跳牆ファッテューチョン 調理編



ではいよいよ究極のメニューの調理に入ります。

作り方は山岡いわく 「簡単で壺に材料を入れて蒸すだけです。」

とは言うものの・・・

まさか乾物の物をそのまま放り込むわけにもいかないだろうぜ。

俺もファッテューチョンなんか初めてで知識はないけど、
やっぱ乾物は戻してから入れないといけないんじゃないか?


以下、俺流の作り方です。

とにかく乾物の戻しにも時間が掛かるので、
段取りを決めて進めねばなりません。



1日目

ナマコを戻す第一段階

こちらのサイト様を参考に戻します。
すばらしい中華の神サイト様です。



油分があるとうまく戻せないそうなので、
油分を取り去った調理器具を使用することを念頭に、
干したナマコを塩で揉み、塩を洗い流してから、焦げないように茹で、
沸騰直前に火を止めてそのまま放置して冷やします。





2日目

続ナマコ

ナマコの口と尻を切り落とし、腹側を切り開いて、
水を換えて一日目と同じように火にかける。





3日目

続ナマコ

ナマコの腹から筋をとり、
水を換えてまた同じように火にかける。



この取り出した筋には栄養があるそうなので、
スープなどに入れるとよいと言う。

ということで後で入れてしまおう。
というか取る必要なかったんじゃねえの?



トコブシの戻し

肝も一緒に干物にしましたが、
肝はスープが濁る原因になるそうなので、これをキレイに取り外す。



そういえば美味しんぼの絵も肝なしでしたね。

肝も入れたらうまいだろうけど、
きっとハーモニーが乱れちゃうんだろうね?



水に漬けて放置する。





4日目

続ナマコ

ナマコを破壊しないように、爪でナマコの腹の汚れを落とし、
やはり同じように水を換えて火にかける。



続トコブシ

水を換えてそのまま漬け置き。



ヒザラガイ、カサガイ戻し開始

やはりカサガイも肝を取り外してあげました。



水に漬けて放置。



キョンの尻尾戻し開始

水に漬けて放置。



サンショウウオの戻し開始

水に漬けて放置。




ブラックバスの浮き袋&胃袋戻し開始

沸騰直前で火を止め冷ます。

斑点は病気ではなく、乾燥の際に金網を使用したことで、
サビの色が移ってしまったものです。



さてと・・・・お次は・・・・








(こらこら。誤解されるようなパロは入れないように!)


サーセン。


ウコッケイ処刑開始

クビチョンパして熱湯にさっとつけて毛をむしり、
バーナーで細かい毛を焼ききる。



内臓を取り除いて冷蔵庫で熟成。





5日目

続ナマコ

今度はナイフでナマコの表、裏の垢みたいな汚れを取り、
同じこと繰り返す。



続バスの浮き袋&胃袋

よくこすってぬめりや汚れを落とし、水を換えて漬け置き。



続トコブシ、ヒザラガイ&カサガイ、
キョンの尻尾、サンショウウオ


それぞれ水を換えてそのまま漬け置き。



シイタケ戻し開始

水に漬けて放置。



朝鮮人参戻し開始

鍋で30分ほど煮て漬け置き。



ハクビシン解凍開始

冷凍から冷蔵へ。





6日目

名水入手

湧き水を汲みに行く。



名水百選のひとつをゲット!

そこ泳いでる鯉がすげーうまそうだけど、
持ち帰ったら怒られるだろうなぁ・・・




クコの実用意

クコの実だけそのままでよしとする。



ハクビシンとウコッケイは煮込んだときに血が濁りになりそうなので、
一度さっと湯でこぼしてあげます。



こうして・・・・


ようやく・・・・





すべての材料下準備コンプリート!!



シイタケの戻し汁と、朝鮮人参の戻し汁に限り、
ワンカップずつ取り置きしてあり一緒に入れようと思います。






いよいよ最終段階

戻しが終わった材料を壷にぶち込む。


が・・・・




ハクビシンの頭はすっぽり入ったけど胴体は入らず、
ウコッケイも丸ごとだとギリギリ入りません。



入らないものは分解して入れましょう。



すべての材料を入れたら名水をヒタヒタに。



最後にキッチンペーパーを便宜切り、
ウコッケイの卵の卵白を使用して壺に貼り付け、
本体と蓋の隙間を目張りします。





釜を用意し水を入れて薪に火をつけ、
蒸気が出てきたところで壺を置いて箱をセットして蒸し煮にする。

せっかくだから垣根の横でやろうぜ!




蒸し時間8時間。


まぁたしかに長いし大変だけど、
ハムを作るときの燻煙なんか24時間だからな。

それに比べたらなんてことねーぜ。

スチーム用の釜の水が蒸発してしまわないように加減を見ながら、
ときどき注ぎ足して、草刈して、ときどき薪くべて、漫画読んで、
ゲームして、イノシシの見回りして、マムシ捕まえて・・・・







あっという間に8時間ですぜ・・・・。


地元の集会があったりなんやかんやで、
開始時刻午後6時、 現在時刻深夜2時。




というわけで・・・・





仏跳牆 マルチハンター風
ここに完成です!



確かに作り方は複雑じゃないんだけどね、
自分で材料集めから始めるとすごく壮大な料理だよ。

いやマジに。








う、うほぉぉおおお!!!

こ、この香りは!!






感想












黄金色で透明感のあるスープの表面に、
うっすら透き通った脂の皮膜があり輝きを帯びている。



そしてこの香り!


嗅覚のみですでに材料が多種複雑に使用されているであろうことが創造できるような、
食欲中枢とその食に対する好奇心を刺激される香りだ。









うっひょぉぉおおお!!!






ウコッケイとハクビシンから抽出されたのだろう、
瞬時に口当たりがまろやかな脂のようなゼラチンのようなものによって舌が包み込まれ、
一本調子かと思いきや、朝鮮人参、シイタケの漢方系の香りが鼻に抜けていき、
次第に魚介系の豊かな旨みと香りに支配されてくるような・・・・

表現にすごく困るうまさ。



恐ろしい料理だ・・・。

わかりやすく俺流に表現すると、
この壺の中に食材という聖闘士セイント達によって形成された、
ブラックホールを有する小宇宙コスモがある。

さらにコスモを増大させ爆発ビッグバンを起こし、
大宇宙へと拡大したいセイント達の魂が香りとなって漂い出ていてるような・・・

それを口に含んだ俺の意識をブラックホールに引きずり込むと同時に、
セイントたちがコスモが大爆発させた!

うわぁああああ・・・・

壺より狭い俺の口の中でひとつの銀河が生まれてノックアウト!!!


飲んでるのに、逆に飲まれてる気になるスープ。



そんな味です。




(よけいわかんねーよ!)





ここまでの苦労を考えるとそんな表現になっちゃうようなもんでね?






中身の材料は旨みを出し切って抜け殻のようなものや、
逆にスープを吸収して成長したようなやつらがいる。



ナマコやハクビシンの皮が最高!

染み込んだスープの旨みに、
クニュンとゼラチン質がめちゃんこうまうま。



サンショウウオはそもそも効果も不明な上に、
煮込まれたくせにカスカスな感じで、
干物食った後にしばらくして外れた歯に詰まっていた歯糞みたいな味。

キョンの尻尾とか、ブラックバスの胃袋とか、
入れた意味がわからんもんもあるけれど・・・

まぁメインはスープだからな。

材料を取り出そうとしたことで、
スープが濁ってしまうし無理しないほうがいい。

科学的なことはよーわからんけど、
きっと直接火にかけてグツグツ煮込むのではなく、
蒸気によって間接的に蒸し煮にすることによって、
材料の煮崩れを防止して透き通ったスープを作り出しているんだと思うので。


そういやわざわざ垣根の横で調理したのに、
誰も跳び越えてこなかったのはみんな寝てたからだよね?




ほんじゃまあ次は・・・・


・ファッテューチョンにチャレンジかな?









と思うほど乾物臭くもなかったけど、
戻し工程をせずに乾物のままぶち込むのだったのだろうか、
あるいはハクビシンとウコッケイも干物にして使用するんだったのだろうか?


ショウガは家の畑になってるし、
スッポンは頑張って専門に狙えば何とかなるけれど、
さすがに牛は殺すわけにもいかないのでマルチ流でイノシシの生肉で代用、
冬虫夏草は・・・


セミの抜け殻と芋むし毛むしの干物を入れればいいかな??




(うわ〜・・・飲みたくねー。 やらないでいいよ。)



あそうですか。






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