アナグマ汁(裏狸汁)






アナグマ。

タヌキに似ているけどタヌキじゃない。
タヌキと混同してムジナとも呼ばれている。

昔話などで登場する狸鍋や狸汁も、
実際にはタヌキとアナグマの肉を使用したものがあり、
うまいタヌキ汁はアナグマの肉、
まずいタヌキ汁はタヌキの肉だとも言われている。

タヌキ汁とはいわゆる味噌汁にタヌキあるいはアナグマの肉を入れたものであるそうなので、
今回は具沢山で豚汁風に作ってみようと思います。




アナグマミート。

解体して冷蔵庫で寝かして熟成済み。

肉自体からは臭みや香りはまったく感じられない。



まずは胴体から四肢を切り取り、
背骨とあばら骨の付け根を包丁の根元の辺りで叩き切る。



背骨に沿って包丁をなでていく様に入れて背骨を取り外す。



あばら骨に沿って刃を入れて、一本一本丁寧に取り外す。



開き 完成。



腕、足は骨に沿って観音開きにするように切り、
骨を取り外して肉にする。



開きの半身と手足一本ずつを細切れにしておく。

残り半身はまた今度何かして食べよう。



豚汁って言ったら普通は昆布にカツオ出汁でしたっけ?

まぁでもせっかくなのでガラスープでいってみようか。



一度軽く湯でこぼしてから、
再度ネギ、しょうがを加えて一時間ほどアクを取りつつ煮込んで完成。



アナグマ以外の主な材料。

ニンジン、ダイコン、ゴボウ、ネギ、トウフ。

こんにゃく買うの忘れた。



それぞれ具材用に切りそろえ、
ゴボウはささがきで酢水にちょっとつけから水切りしておく。


これで下準備は大体終わりかな。







鍋もいろいろあるけれど、豚汁といえばやはりこの鍋だよな。

林間学校とか中学の頃の新入生歓迎豚汁パーティを思い出すぜ・・・・



油をしいて肉を炒め、
色が変わったら今度はダイコン、ニンジン、ゴボウを入れて炒める。



全体的にしっとりしたらガラスープを加えて一煮立ち。



アクが出るのでこれを丁寧に取り、
最後に豆腐を加えて熱が通ったら手前味噌を溶いて出来上がり。




器によそってネギを散らして完成。




感想



これが世に名高い裏タヌキ汁か・・・・・。



ズズ・・・・・。





あ、なんだ・・・・普通にトン汁・・・・




いや、待て!


一瞬、普通のトン汁かと思いきや、
直後にほんわかと臭みとも香りともなんともいえないワイルド風味が鼻に抜けてきた。

こ、この風味は・・・・

どっかで覚えのある風味。

オーストラリアのソーセージは皆こんな風味だった気が・・・・。

そう。 良く言えばマトンっぽい香り。

悪く言えば犬臭い。

ふわ〜んと風味が抜けていった後の余韻は悪くない。

何だ今のは? ちょっともう一口。
という感じで後を引く。



肉はかなりうめぇ。

弾力のある脂に甘みがあり、
チキンのような噛みごたえで、淡白でいながらも野性味を残した肉だ。

けど、この独特の鼻に抜ける香りは、
好き嫌いが分かれるところだろうな。




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