おちんちん




埼玉から千葉に越してきてから9年位経っただろうか。

その間、私は病院というものに行ったことがありませんでした。


二千八年十一月五日水曜日夜、
その記録についに終止符が打たれました。

しかも・・・自分でもよくわからない病気なんだか怪我なんだかで。


それは、 人類が、 いや、生命が歴史を刻む上で非常に重要な器官、
通称「チンポコ」と呼ばれる場所に起こってしまったのだ。


なんとチンポコが部分的に肥大化してしまったのだった。








(がははははは)







い、いま笑った奴いたろ!?



笑いごとじゃねえぞ!! まじで。



全体的に普通の状態で巨大化するならとても嬉しいことかもしれないが、部分的にだぜ!



経緯を話そう。

猟期が近づき、土日は連日、罠を仕掛ける下見などで山に入っていた私でした。

その週末も山に様子を見に行き、
夜、足の数カ所に赤くかゆみのある部分ができているのに気付きました。


「しまった。 またダニにやられたか・・・」


家族の中でも特に私は噛まれやすい体質で・・・
つーか山を徘徊するのは俺だけとも言えるのかな・・・

それから時間をおいて、ほかにも数カ所同じ症状が現れました。

ダニというのはやっかいで、体の柔らかい部分を重点的に攻めてきます。
内股や膝関節の裏、足首、腰周り、そして玉袋の裏などだ。
どんなに厚着してても、どこからか侵入してきては噛みやがるのだ。


「ちっくしょー」っと、風呂でいつも以上に頭や体をよく洗い、
その日眠りについた私だったが、明け方頃にチンポコ(玉でなくソーセージ本体)にかゆみを感じた。

「チンコもやられていたか・・・」

と、夢うつつに思っていた。

そのままかくと逆に痛いので、
トレパン越しに擦るようにして眠りながら必至にかいていたような記憶があります。


ここを噛まれたのは初めての経験。

朝が来て完全に目が覚め、トイレに行きあそこを見ると、
亀頭の下の皮が溜まる部分に、赤くポッチがある。
やはりダニだ。

そのときは他の部位と同様、かゆみさえ乗り切れば何とかなるだろう、
という軽い気持ちだった。

しかし他の部位と違うのは、
通勤途中の車内で思い出したようにかゆみが発生しても、
さりげなく掻くことができないこと。

ひたすらに耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶしかなかった・・・


会社に行ってからは、噛まれた各部のかゆみは比較的おさまり、
ソーセージに至ってはあまり感じなくなっていて、
ションベンに行くときも変わった症状はなかったのだった。

2時頃からはとくにトイレにも行かずに、そのままソーセージをみることなく退社となった。

8時30分頃だろうか、自宅につくと同時に尿意をもよおした私はトイレに赴き、
チャックを下してソーセージを出そうと試みた。


ところがどうして、なかなかソーセージが出てこない。





・・・




なんかおかしい!





なんかブヨブヨしてるものが・・・・・

↑ ここでかなり焦ったね。なんか蛭とかそんなものでも入り込んだんじゃないかって。


すぐさまベルトを外してパンツの中を覗き見た。
(もう心臓ドキドキで、ムカデがズボンに入り込んだときのような心境再びって感じ)













!?





なななな


なんじゃぁぁぁ!!!


こりゃぁぁぁぁあああ!!!!









ブヨブヨした物体はなんと他の生命体ではなく、
俺のソーセージそのものだったのだ!
(心臓一時停止)


ソーセージの一部。

詳しくは、古代にプロテクターとして機能していた皮の部分が、
水膨れをひどくしたように著しく肥大化していたのだった!
















ソーセージ、ボンレスハム化。




♪ちーんちん ぶ〜らぶ〜ら ソーセーエジー
 ハーイハイ ハムじゃーな いー♪



全然痛みがない。
よくぞ何の違和感も無くここまで変化したものだ。



ダニのせいか?

なんかの病気か?

まさか性病?




と、いろいろ考えたりしたのはしばらく後の話。


ソーセージを拝んで異常を感じてすぐ、

「やばい! チンコがなんかやっばぁーい!!!」

と家族に知らせ、とりあえず父にちらりと見せた。

「ダニかもしれねえ。なにかに噛まれたのはたしかだから。
でも赤いポッチとかゆみだけでこんなにはなってなかったんだ!」

すぐさま近所の救急病院に事情を話し見てもらうことにしたが、
当直でいたのは外科医のみだった。

先生「どうしました?」

俺「ダニに噛まれたっぽくて、あそこが異常に膨らんで・・・」

先生「ちょっと見せてもらえる」

俺「はいはい!」(喜んで!!!!!!)

普通は人前で性器を出すという行為は多少のためらいがある。
俺の場合風俗で脱ぐのだってまずはためらう。

だけれどもこの時の俺の気持ちは、
早く見て!  とにかく見て!  見たくなくても見て! と、早く見てもらいたくてしかたがなかった。
(女医さんだったらすこしはためらったかもなぁ)



先生「うゎー・・・ ちょっといい・・・」

ソーセージを持ち上げられる。

先生「痛くない?」

俺「全然です」

先生「何だろなー・・・ 変なこと聴くけど、最近風俗とかは?」

俺「最近は・・・・行ってないです。」

先生「−−−(専門用語)かなー?」

先生2「−−−します?」


先生「んー、でも−−−だから・・・」


先生2「ですよねー。」


何話してんだかよくわからん。


先生「ちょっとこれはやっぱり明日皮膚科で来てもらうしかないなぁ・・・」

俺「そっスか・・・ 了解です。 もっとでかくなるとかもわかんないですか?
  壊死して使いものにならなくならないかが心配なんですよね。」

先生「なんとも言えないけど、いまは色もいいし、
   後で痛みを伴うようになったらまた来てもらって、
   切るなりなんなりしてみよう。」

俺「この部分、破裂しません?」

先生「破裂したらしたで傷が治れば大丈夫。
   ガン・・・ではない・・・と思う。
   よく前立腺とかがガンになったら、玉や伴って棒もなる場合があるけど・・・そうではなさそう。
   体中ダニに噛まれてるんだから、それが原因だとは思うんだけど。」


まぁ、いろんな症状を見てきてる外科医が、
とりあえず明日まで大丈夫だろう と言うのだから、
とりあえず大丈夫なのかもしれない。

なんだか俺からしたら「ソーセージ見られ損」って気がしないでもないけど・・・



10時頃に自宅に戻り明日まで待つことにしたわけであるが、
これがまた・・・・不安で一睡もできなかったのだ。
ムカデに噛まれたとき、い、いやそれ以上に長い夜だった。

時計を見ても見ても全然進んでねえ気がして、
まだかよ まだかよ おいっ と・・・

この世にいながらにして、精神と時の部屋に頭だけ突っ込んでるような・・・
いや、逆かな? 珍子だけが精神と時の部屋かな?

とにかくそんな感じで・・・

とりあえずこたつでじっとして映画でも見て時間が経つのを待つことにしたが、
時が過ぎるにつれて目に見えてさらに肥大していくのがわかり、
痛みはないがだんだんと圧迫感が増していった。

こんなにも不安な時を過ごしたのは初めてだ。
こんな感情、精神状態というものがこの世にあるものなのだと知った。

正直チンコ切断をまじめに考えたし、
そうなったらションベンどうやってすんだろう とか、
セクースどーすんの とか
もう頭ぐるぐるで涙出そうな感じ。

この心境は、俺と同じ状況に陥らなければ解からないだろうな。



そろそろ一年が経過する・・・

脳内ではそのぐらい長い時が過ぎ、
ようやく空が明るみ始めた頃にションベンがしたくなってトイレに行き排尿を試みた。



ボロン。



ズシリ・・・


重量が通常時の3、4倍くらいありそう・・・






ブシャワーーーー!!!






きゃー!!



尿道が圧迫されているからだろうか、
ションベンが出るには出たのだが、放射状にそこら中に飛散して悲惨な状況に。

トイレの床はビショビショ、
着ていた寝巻もビショビショだ。

もうここまできたら途中で止める気がしない。
かといってそのまま的を外し続けるわけにもいかず、
膝を曲げ、なるべくソーセージを便器に近づけて残りを出すことにした。

この態勢はものすごくきつい。


・・・・ふう。

なんとか終わったぜ・・・。




床をティッシュで拭き、仕上げにトイレクイックルで拭き直し後始末完了。


「よし・・・これで・・・・家族に・・・・・バレナイ・・・・・・」


そしてビチョビチョのズボンを着替えている間に、「なにやってんだろ俺・・・」 と妙に悲しくなってしまった。



しかし、なんとか一夜を乗り切ったぜ!
自分を褒めてやりたい。




7時の受け付け時間の一番最初に行けるように病院に向かったつもりだったが、
すでに、早寝早起きが人生の習慣となっているジジババ達がいっぱい並んでいた。

しまった・・・
先を超されたか!!!

受付を7時に済ませたとしても、
診察開始は10頃だということなので、
再び精神と時の部屋へ頭だけ出勤させねばならないのだった。


廊下で待っている間には、同じ皮膚科だろうか、世間話で盛り上がるジジババ達が。

「ちっくしょーーー!!
 お前らどこがどう病気なんだ!!
 余裕いっぱいじゃねえかよ!!!
 俺なんか話してる余裕だってねえのに!!!
 む・か・つ・く〜」

っと八つ当たり。

チンコ見せたら順番譲ってくれるかな・・・・とまじめに思ったよ。



いよいよ診察の順番が巡ってきて名前が呼ばれた。


「やっとか!」


ソーセージに刺激を与えないように立ち上がり、
カーテンをくぐって診察室へ入る。

初老の先生とおばさんの看護婦。


先生「なに、ダニにやられたんだって?  どれ?」

俺「はぁぁい・・・」


どうやら私のカルテをすでに読んでいて経緯は知っているようだ。
ズボンを下げ、ソーセージを見せる。


先生「ひどいなこりゃ・・・痛くないの?」

俺「圧迫感はあるんですけど・・・」

先生「昨日と比べてどう?」

俺「倍ぐらいに膨らんでます・・・」

先生「とりあえず飲み薬と塗り薬で様子を見よう。」


え? すぐに何か処置してくれないん?


俺「やっぱダニなんですか?
  この状態だとションベンがまともにできないんスけど・・・」

先生「そりゃそうでしょ・・・ これだけ腫れてるんだもんねぇ・・・」

俺「注射とかで中の水分とか抜けませんか?」

先生「・・・・・・・・・・・・・・やってみるか!? (看護婦の顔を見て看護婦に聞く感じで)」


ええ!?

なななな なにそれ?

それって先生あなたが判断するんじゃないんですか?



先生「ちょっとガーゼ取って。 君はここに座って。」


おいおい大丈夫かよ? と思いながらも、
言われるがままにズボン下した状態で診察台に腰を下す。

先生は注射の針のキャップを取り外すと、
もう片方の手でガーゼをつかみ俺のソーセージのハム化した部分を消毒。


先生「やるよ」


水は抜けません?  などと自分で言い出したものの、
実際に鋭い針の先がソーセージと同じ視野に映りこんだときには心臓バクバクでした。












ブスッ






刺さったぁぁぁあああ!!!









ってほど痛みは感じなかった。
っていうか全然痛くなかった。


でも・・・視覚的にものすごく恐ろしかった。。。



先生はおもむろに注射のピストンを引き上げる。


・・・

しかし何も吸いあがらない。


先生「だめだよ。 うん。 やっぱり全体的な腫れなんだよ。」


どうやら水膨れではないらしい。

針を引き抜くと傷口から血がタラリと落ちた。
看護婦がガーゼでふき取ってくれてチンコに包帯を巻いてくれた。




なんだか漫画チックなシチュエーションで、
思わず噴き出しそうになった。


先生「もしおしっこが出なくなったら、
   夜中でもいいからすぐに来るようにしてね。」




処方してくれた薬は・・・




デルモベート軟膏とプレドニン錠。




自宅に帰りさっそく塗り薬をつけようとすると、
包帯がビショビショになっている。(グロ注意)




ど、どーしたというのだ?




ん?


こ、これは!!




先程注射針を刺されて開いた穴から、
少しずつ ジワァ〜 っと何やら液っぽいものが染み出て、
点滴のように ポタリ ポタリ と垂れている。




なんだろう?

さっきは何も吸いだせなかったのに。

ションベンがにじみ出てきてるのか?




とりあえず薬をぬりぬりごっくん。
安静にじっとしてFF5にいそしむことにした。

「アビリティポイントでも稼ぐか・・・」


以降、トイレは外で立ちションとなる。
その度に包帯を巻き直し、塗り薬も頻繁に。
朝夜二回の飲み薬。

一夜でみるみるとハムはソーセージに戻ろうとしていた。

翌朝、ジジババに先を超されないようさらに早めに並んで受付を済ませ、
診察開始時間まで車でゆっくりと待つことにして、
3番目くらいに診察を受けることができた。

先生「どうだった?」

私「おかげさまでかなりよくなりました。
  刺してもらったのが良かったみたいで、
  あの後包帯がグショグショになるぐらい水分が出ました。」

先生「あ! 水出た!
    あーこりゃ大丈夫だろう(私のチンコを見て)!
    あとは薬を使いきれば大丈夫だよ。」



結局、木金と会社を休み土曜も安静にすることで、
ちょっとむくんでるかなー程度まで回復させることができたのだった!


しかし・・・

小さくなるにつれて・・・







かーーいかいかいかいかい!!!





かゆみが目立つようになってきたが、
そこはそれ・・・我慢するしかありませんでした。





アビリティも結構稼いで、第一世界にしてれんぞくま、にとうりゅう、みだれうちなどをマスターできた。
レベルもかなり上がったぞ!



後日、ネットで自分なりに調べてみたのだが、
どうやら出てきた液はリンパ液ではないかということだ。
ダニに噛まれたせいでリンパが集中、ハム化に至ったらしい。

刺した時にこの水分が抜けなかったのは何故なのだろうか?

まぁ直った今はそんな事どうでもいいか!


ただ原因がダニだ!と言うのであれば、この病気? 怪我?
は、誰にでも起こりえるかもしれないかもしれないのだ。

ハンターに限らず山入りの際にはくれぐれも気をつけて頂きたい。

私の場合、おそらくイノブタ箱@死刑確定のデモビデオを撮るときに、
四つん這いになったりしたからかもしれないなぁ・・・。

となればプローン体勢やホフク前進のために山で伏せたりするのは、
ダニに侵入されやすくなってしまうのかもしれない。


が、


それを気をつけようが気をつけまいがやられるときはやられるから・・・ダニってのはね。


もしも私のような状況に陥ってしまった場合には、
ぜひあせらずに手ごろな針で数箇所ブサリとやってみれば回復が早いかもわかりません。

そして他のバイキンが侵入してさらに悪化しても決して俺のせいじゃありません。




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