ウサギ




夜。

出かけた両親を駅まで迎え行き、
そろそろ家につこうかというところだった。


むむ!


今反対車線にウサギっぽいものが!


行きにはなかったから鮮度抜群!


後部座席の二人は気付いてなかったようだ よし!




俺「あ、俺ちょっと飯は・・・遅れます。 残しといて。」


母「釣り?」


俺「んー・・・うん。」




そして軽トラに乗り換えリターン。





ほー。 これは轢かれたてほやほやだぜ!


さっそく研究室で解体。
あったけぇー!




ヒヒヒヒ。

何にして食べようかなぁ。




しかし・・・轢いたり撥ねたりしたやつって・・・
当然だけど何かを轢いたことは自覚してんだろ?




別にさぁ・・・



 生きてたら病院に連れてけ!

 ダメなら止めをさせ!

 死んでたら死体を持って帰れ!




とまでは言わないけどさ、
道路わきに寄せてやるぐらいのことしてやれよなぁ。

それをしなくてもさ、高速道のように止まれない状況はともかく、
こんな田舎道ではせめて自分が何を轢いたのかぐらい確認はしてるんだろうな?












  





「何かは轢いたが人とは思わなかった。」

みたいなことだと大事だぞ。

直前に動物の影を一瞬見たとしても、
人だと思いたくなくて動物だったと決め付けてるだけかもしれん。

まぁ確認した後に人だとわかっても、
わかったからこそ逃げだし、アンド証拠隠滅まで図る、
ヒトデナシロメオみたいなゴキブリ野郎も世の中にはいるんだろうがね。



なんてエラそうなこと言ってはいるが、
今でこそ俺が轢死体大好き変態君だからってだけでね・・・

俺もぱっと思い出すのでは高三の終わりに免許とって浦和で猫、
引っ越す前の千葉に古民家修理で通ってた頃に狸を轢いてしまった経験がありまして、
おりたりバックして確認はしたけれど「あひゃー やっちゃったぜー。」と思いながらも、
放置して走り去った経験がありますけどねー。

当時はまだ覚醒してなかったからな。

あの頃の逃げる俺と今の俺と、
どっちが人として狂ってるのかわかりませんけどね。



(間違いなく今のお前。)



ふーん・・・  あそう。 そりゃどうも。






・・・・・・・後日・・・・




先日のウサギはワインとビネガー多めのベースでマリネにしておく。

ちょっとバサッとしたウサギ肉は鹿のように、
ピケといってあらかじめブタの脂を打ち込むといいそうですが、
素人ではマリネー液に漬けて、肉質のクセはソースで補うのが簡単だという。

なお、ものの本によれば、 家兎 と違い 野兎 は射殺か撲殺が多く血抜きが悪いが、
家兎では味わえないその独特の風味を味わうものであると説明されている。

家兎の場合では肉質が鶏肉のように淡白なので、
頚動脈を切りウサギ自身の血をソースに利用したり、
それが手に入らない場合、わざわざブタの血を代用してまで血でコクを求めるのだとか。


つまり・・・


野兎ほどロードキル向きな奴はいないと言っていいのです。



じっくりコトコトうさぎ煮込み・・・。



う、うまい・・・。




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