処刑日誌 5月6日(火曜)



ゴールデンウィーク最終日、朝6時頃・・・



布団の中の父。

コタツの中の私(例によって安売り映画鑑賞中)。


父「・・・・・おい、なんか音がしないか・・・」

私「・・・え?」




カリカリ・・・・カリカリカリ・・・





父「ほら! 今したろ!!」

私「あー! たしかに!」


テレビを消し、音の発生源を突き止めようと試みる。

耳を澄ます二人。






この中からすんぞ!!!


実はしばらく前、この押し入れの中でえらい出来事が起きたことがある。


押し入れの中に母が、いらなくなった衣服などをウェス用に切ったものを、
大きなビニール袋に入れてしまっておいたのだ。

で、あるとき母がそのビニール袋を取り出したら、なんだか違和感。

母「ちょちょちょ、何かいるみたい!」

と、呼ばれて私が見に行くと・・・

ビニールの内側に、水滴がいっぱい。

さらにウェスの詰まった底のほうで、
ミミズみたいなのが動いていた!


わぎゃ! ネ、ネズミの尻尾だ!!!


巣くって子供を生んでいたのだ。

数匹いる・・・お、おそろしい・・・。



その時は下手に取り出して、蜘蛛の子散らした状態になったら嫌なので、
そのまま二重ゴミ袋に押し込み、ガムテープで頑丈に保管、
ゴミの日にゴミとしてご出陣いただきました。


あの時の!
生き残りがいるのかもしれない。




ガラリ


父「ウォい! 何か動いたぞ!!」


私は気付かなかったが、確かに何かいるらしい。




下に敷いてある新聞紙がかじられている。

完璧に新聞紙を食って、この押し入れの中で生き長らえていること間違いない。


・・・・


ちょっと待てよ・・・!



先日の一件があってから、
押し入れ内に設置してるこれ。

実はこれ、某メーカーのネズミ避けなんだけどね・・・

本当にネズミが逃げるんか? と思うぐらいさわやかな香り。

とりあえず 効果無し と、俺は判定した。



よろしくお願いしマース。



煮干。
レンジでチンして香りを高める。



設置。

昼間っからガサゴソと頻繁に動き回っているようだし、
何よりもタンス内なので撒き餌は避ける。

そして扉を閉じて、私は再びコタツに入ってテレビを見だした。


・・・・


バショォーンッ!!



お!! かかったなボケが!!


設置してから30分ほど経過してからだろうか、
景気よく蓋の閉まる音が聞こえてきた。



ガラリ。

おう! かかってるかかってる。

ワオウ!



ちっさくて超可愛い!!!



だから? それで?



ジョボジョボジョボー・・・・

ヒデェー、カワイソーと思うあなた、
仕方が無いと割り切れないあなた、
住所教えて頂ければ、今度宅急便で送って差し上げます。
もれなく虫かごセットでプレゼント。

ぜひぜひ、押入れで飼ってあげてよ。
餌代はほとんどかかりません。
読み終わった新聞紙でも入れといてね!
かわいがってあげてよ。

このくらいになるチュウ!



はい死んだー!

煮干と心中、嬉しいねー?



ところで、私の場合、単に命を絶つのであれば、
素人に出来る一番確実な方法は水攻めだと思って行っていますが、
凄まじい方法を執り行った方がいるというのを聞いたことがあります。


しかもタヌキ系の奴に・・・


話によれば・・・

畑の作物を荒らされるのは当たり前で、
家に侵入され、怖くて眠れないこともあったという。

いわゆる市販の箱罠でそいつを捕獲したその方は、
捕獲という行為に乗り出したくせに、怖くて近づけなかったらしく、
恐ろしくて、罠を持ち上げることすら出来なかったそうな・・・

なもんで、もちろん、引きずり出して一撃を食らわすことも、
箱ごと川に沈めることも出来なかったいう。



で、その方のとった行動とは・・・・






なんとお湯をぶっ掛ける

という凄まじい方法であったそうな。


しかもヤカンで。


もちろん、タヌキ系が、それだけのお湯で簡単にくたばってくれるわけがない。


狭い檻の中で、熱湯から逃げようと暴れまくるタヌキ系。

一杯のヤカンの湯がなくなると、再び湯を沸してかけるという行為を繰り返したという。

何度か繰り返し、ほぼ死んだと思いそのまま放置して、
その後、畑仕事に精を出したという。
(トドメをさしてやりゃいいのに・・・・)



で、しばらく後に戻ったところ・・・・


息絶えることなく 悶え続けていた という。


その後再び、ヤカン一杯ずつの熱湯法が開始され、
なんとかその命を絶つこができたが、
それは朝早くに始まり、実に夕方までかかったという。




「もう怖くて怖くて・・・・・やっと死んでくれて・・・」(女性)



と、話していたそうだが・・・







俺は、そんなあなたが怖いです!




いやもう、怖すぎですよ。根性が。
ムカデ以上にゾゾッとするぜ。

そりゃ動物が怖いのは仕方ないけどさ・・・
だからってなにも、チマチマと熱湯掛けてやんなくてもいいんじゃないの?

事情を知らないで行為だけ目の当たりにすれば、
もう「鬼」としか言いようが無いよ。

でもまぁ・・・・
捕獲したはいいけど近づけず、
何をどこまでどうすれば生き物が死ぬのか?
という知識も無い彼女にとっては、最良と思える方法だったのだろうね。

家に誰も頼る人がいなくて、
女手一つで何とかしようという心意気は見上げたもんだけど、
私には・・・・・・到底真似できない。

駆除目的で、結果殺すにしても、殺し方は選んであげましょうよ。
非人道的な殺しは避けてあげましょうよ、生きてるんだから、あなたと同じように。
怨まれるぞ、マジで。



避けては通れない命のやり取りがあります。

心を鬼にして行わなければならないのも事実ですが・・・

仏心も・・・・・・忘れちゃいけないと思うんだよね、管理人は。

もちろん、相手がたとえネズ公だとしても。



三途の川。

冥福を祈りつつ・・・煮干と仲良くザリの餌にでもなってくれ。

お前の命、無駄にしない。


さよならさよなら・・・・さよなら。



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