マルチハンティング
毛皮のなめし方(実践編)



ミョウバンなめしの実践編です。

旧日本兵の備忘録から賜った知識によって、
自分なりに狩猟やロードキルで拾った固体からむしり取った皮で練習したおかげで、
備忘録編の工程をかなりハショリますが、そこそこ満足のいくものができるようになりました。

初期の毛の生えた巨大なスルメや、カビた肉雑巾みたいにな代物に比べればかなりの進歩かと・・・。


下記が私なりのミョウバンなめしの流れです。

※いろんな毛皮が登場しますが、まぁ気にしないでください。
 俺なりの供養みたいなものなので。



皮の調達
戻し(塩漬けの場合)
裏すき
脂抜き
なめし
乾燥と伸ばし
仕上げ


の段階になっています。


まずは必要な材料をそろえましょう。



毛皮
都会の人は・・・・・
保健所でガス殺された犬猫とかくれるんかな?
まぁ逮捕されるようなことはスンナよ。
エプロン
別になくてもいい。

裏すき用。 包丁でもいいけど、鉈がやりやすい。
古民家に残されていたコレは、木の皮剥き用か毛皮の裏すき用かはたして・・・?
塩ビ管
裏すき用。 直径は10cm以上、長さ1mくらいあるとやりやすい。
液体マルセル石鹸
毛皮にダメージを与えなさそうなのがいいんじゃない?
アタックで念入りに洗ったら絞ったときに毛が抜けて千切れやすかったし。
洗濯曹達
洗濯石鹸のフォロー。
焼きミョウバン
生ミョウバンがあると良いけど、なければ焼きミョウバンでよい。
一個90円くらいだからいっぱい買っとけ。
食塩
あるよな。
洗濯板
なつかしの・・・。
軽石
荒めの紙やすりでも。



では順を追って実践していきましょう!




皮の調達


狩猟をしていれば問題ありませんが、
一般の人が手に入れる場合はロードキルの固体からでしょうね。

くれぐれもそのへんの犬猫に手を出さないように。

ああそれとな、どっかで猫が惨殺されて遺棄されてた事件の犯人は俺じゃないんだぜ。
念のためな。



(そうそう。 お前は殺すより墓場から掘り起こすタイプだもんな?)




いや、違えーから。


だいたいそれ対象がもっとデカくない?





さて、生皮の場合はそのまま裏すきへ行きましょう。



生皮を手に入れてすぐに作業に入れない場合は、
肉面に塩をたっぷり乗せて折りたたみ野菜室等で保管することでかなり持ちます。
時間ができたときに戻しの工程に進みましょう。




戻し

 塩漬けの場合、生っぽくなるまで漬ける。



塩によって水分が抜けてちょっと固くなっていた皮も、
1日水につけておけば生っぽく戻ります。



戻しが悪いと次の裏すきがやり辛いです。




裏すき

 皮に残った肉片や脂を落とす。


エプロンを着用してお風呂場へ。


このような隅に塩ビ管を固定。



さらに毛皮をお腹でずれないように固定して、
鉈でするようにして残った肉片を除去していきます。



このような脂肪の下の筋肉の膜もできる限り取るよう努力しますが、
がんばって削り過ぎないように注意。




イメージ図。 微妙層でとどめること。



セーフ
アウト!

夏の固体や子供は薄くて毛根が出やすかったりする。



裏すきが終わったら最後に付着物を洗い流して終了。




脂肪抜き

 溶け込んでいる脂肪を取り除く。



微温湯を用意し液体石鹸と洗濯曹達を混ぜる。

通常の洗濯の分量の倍ぐらいで。



毛皮を入れてよく揉み洗い。

次第に脂が溶けてくるので、肉面を洗濯板に押し当てて脂を搾り出す気持ちでガッツリやりましょう。

裏すきを頑張りすぎてしまった場合は、
ここでその場所の毛が抜け落ちてしまうけど気にせずゴシゴシ念入りに。



さらに水で洗いながら脂のベトベト感がなくなったら絞って終了。
納得いかなければ再度微温湯で液を作り直して行いましょう。

ここで脂が残ると、次のなめし工程でムラが出たり、
なめし後の乾燥の際に浮き出てきたりします。




なめし液に漬ける



まず、生ミョウバンが手に入らずに焼きミョウバンを購入した人は、
焼ミョウバン100gに対して水200mlを加えて火に掛けながらミョウバンを溶かします。



コレを冷蔵庫とかで冷やすとミョウバンの結晶が出来上がり、
残った水を捨ててやれば生ミョウバンの出来上がりです。

100gの焼きミョウバンがだいたい250g程の生ミョウバンになります。



ナメシ液の分量は水10に対してミョウバン2、塩1で、
これを火に掛けながら溶かして、常温までさめるのを待ちます。

タヌキレベルなら1.5リットルぐらいで十分じゃないかな。
ミョウバンは300g、塩は150gです。

伍長殿の日記ではこれは濃厚液であり、ミョウバンは原皮の10分の一だとか、
濃いとシワができるから薄めて徐々に濃くして温度も10℃20℃30℃と徐々に上げるべし。
という内容でしたが、俺は数字がからんでくると突然いい加減になるもんで、
いきなり濃厚液にぶち込んで行ってますが今のところしわモノはできてません。



さめたら桶に皮を敷いてヒタヒタにつかるくらいまで入れ、
浮き上がりがないように重石をします。

このまま三日三晩ほど漬け込みますが、
その間、たまに皮の上下を入れ替えて攪拌して良くなじませます。



皮を ギュッ と握ってみて、
濡らした新聞を絞ったような感覚で水分が抜けて、手の跡が残り戻らないようなら大体OK。

まだヌルリとするようなら、そんな状態になるまで適当に漬け込んでおく。



もし肉面や毛の先にミョウバンの結晶が付着してるようなら、
最後に半分ほどぬるま湯を加えてゆすげば溶けて消えます。
(やっぱり液が濃いんだろうな・・・・)




乾燥と伸ばし

 乾燥させながら同時進行で繊維を破壊する。


なめし液に漬け終わったらよく絞って乾燥させますが、
このまま進むと厚めの硬い和紙みたいな感じになってしまいます。

そこである程度水分が飛んだところで、
繊維を破壊して柔らかくし硬化しないようにしてあげます。



洗濯板に肉面をゴシゴシ擦り付けたり、
揉んだり、引っ張ったり、踏んづけたり・・・・


皮がしっかりしたものであれば、
容赦なくこのような柱や壁の角を利用してゴシゴシゴシゴシとやってやりましょう。



そして天日で乾燥させ、まだ柔らかくないと思ったら、
濡れ布巾を肉面に乗せてくるんでおくと柔らかく戻るので再び揉み作業。



乾燥、湿らす、揉む、乾燥、湿らす、揉む、  ×   納得いくまで。





乾燥した後にどこを持っても折り曲がるくらいになれば十分でしょう。

すでにではなくです。


 
最後の乾燥はベニヤ板や壁にピンと張った状態で釘打ちして行います。




仕上げ

 表面を均一にして見栄えを良くする。



毛皮が革になったところで、
肉面がボコボコした状態で格好が悪いものは仕上げをします。



軽石や荒めの紙ヤスリ等で肉面を均一にします。


  
削りカスを叩き落として、
ココまでくれば剣道の竹刀の柄革みたいなイメージでしょうか。



最後にハタキで叩いたり、掃除機等で毛クズを吸い取り、
毛を立たせて見栄えを良くしてあげれば完成です。



人に売るわけじゃないのであればコレくらいできていればまぁ十分かと。
他の製品に加工するのもなんとかなると思います。

ちなみにこのハクビシンは塩漬けにして、
1年半以上経過した後に加工したものです。



固体や季節にとらわれずいろいろ試してみると、
自分なりのコツみたいなものが掴めてくると思います。



失敗は成功の元


有害野郎をどんどんぶっ殺して練習していいよ。 俺が許す。

無免だと警察は許してくれないかもね。 でも俺は許そう我が子よアーメン。


右の白っぽいのはウルトラ濃くした洗濯石鹸と洗濯ソーダ液に一週間浸していたら、
こするだけでみごとに毛が抜けてしまったアライグマの皮膚だけ製品ですが・・・



器用ならオサレなブックカバーにできそうですよ?


129ドルだってぽ。

こんなのにもぜひ挑戦してね?


って・・・・



作ってもよほどのキティguyでなくちゃ、
人前で使用なんかできねーけどな。






というわけでこれにて毛皮のなめし講座終了です。

これまでの試行錯誤の実験段階で毛皮を提供してくれた多くの動物達や、
その技術を書き記し残してくれていた先住者の大日本帝国陸軍衛生伍長殿に感謝と敬意を表し・・・・





次は人間の皮膚でランプシェードを作ろうぜ!







(はいアウトー! 通報しました!!!
 やはりそういうタイプだったか・・・)







は?  ナメすぞこら。

ジョークも通じねえこの石頭野郎めが。

頭硬過ぎるのとちがうの??


脳みそなめしておとといきやがれ ばーか。






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