訪問販売



この辺り、たまに訪問販売が訪れる。
それが・・・ちょっとよく解らない訪問販売なのだ。

なんだか胡散臭い連中ばかりなのです。


例えば信州の味噌売りである。

「信州から来た味噌売りですが・・・」

信州味噌は有名であるが、何故わざわざ東京を飛び越えた千葉の、
それもあんまり人のいなそうな地域を回っているのだろう。

この辺りの民家は自分たちで豆を作り、味噌を作っている家庭がほとんど。
我が家もそうである。

「うち、味噌作ってるんですよ。」
「たまには信州のもいかがですか?」
「いえ、別にいりません。それよりうちの手作り味噌買わない?」

不明なのは、彼の格好
「たった今味噌作っていました!」というような作業スタイル。

何? 
長野からその格好で来たの?
・・・車の運転つらくない?

それとも今そこで着替えたのかな?って感じ。




そして青森のりんご。

「青森から来た、青森りんご。」

とにかく青森を連発してくる。

ふーん・・・青森からね〜・・・。
大変だね〜、交通費。

東京で露店販売したほうが儲かるんじゃない?
それとも、農家の老人相手じゃないとダメな理由でも?

そして若い青年が、たどたどしい方便(どこで習ったのやら)を使ってしゃべるのだ。

・・・・・アクセント違くない。
あのー、無理してしゃべんないでもいいよ。



彼らは何故か自分たちが産地直送しているのだということを
変な形でアピールしてくる。
おそらくそのような販売マニュアルがあるのだろうと思われる。

っていうか最近は果物とかの販売って、曰くありげなものって考えちゃうね。
いわゆる、ほら、ニュースなんかで今やってるじゃん?
市場に出せないようなさー・・・・


はっきり言えば、盗んだ果物


さらに不明なのが

彼らは何故か離れた場所に車を置いて、そこから歩いて民家を訪ね歩くのだ。

この辺の家は、家の中に車を止めるスペースがあるのに、中まで入ってこない。
申し訳ないとでも思っているのでしょうか、だったら家の前にでも止めておけばよいのに、
ずいぶんとはなれた所に駐車する。
そしてそこから手ぶらで歩いてきて、商品の説明だけするのだ。
こちらが「買います。」といってから持ってくるつもりなのでしょうか。

夏の暑い日なんか、わざわざ歩くから汗だく。
タオルで汗拭きながら「いかがですか?」なんて言ってくる。
同情心を引き出そうとしているのだろうか。


なんだか胡散臭い感じです。
本者なんだか偽者なんだか・・・・。



これは訪問販売ではありませんが、明らかに胡散臭いもので、
太陽熱を利用した温水器(屋根に設置してあるやつ)の点検もたまにやってきます。

この温水器は引っ越してきた時からもともと付いていた物で、
使用できるみたいですけど、使ってません。

突然、彼らが無料点検と称してやってくる。

「別に使ってないから点検しないでもいいです。」
といっても、

「でも無料ですから。」
というのでとりあえず点検させる。

すると「あーこれはだめですね。今直さないと使えなくなりますよ。」
と言ってくるのだ。

無料点検が突然、格安有料サービスに変わる。

「使ってないから別にいいですよ。」
と言い返すのだが、彼は引き下がらない。

「今直さないと使えなくなるんですよ!」

「だから、使ってないから壊れてもいいの!!!」 つーか死ねよ。

こちらが必要ないとのことをいっても、彼らは同じことしか繰り返さない。
これもどうやら、そのような訪問マニュアルがあるのだろう。

以来、うっとうしいので点検もさせないようにすると

「無料なんだから見せてくれるくらいいいじゃないですか!」と逆切れするのもいる。


今度来たときはこう言おう。

「そんなに見たいの?
 うちは有料だよ。
 今なら格安で点検させてあげる。」



ガスの訪問も面白かった。

我が家は引っ越してきてからは、薪や炭を使用して暮らしています。
ガスは使っても、カセットコンロだけ。

引っ越してきた時にもともと設置してあったプロパンガスは
いつか使うかもしれない、ということで数ヶ月間は置いておいたのですが、
結局一度も使用せず、今後使うあて無しとわかって、持ってってもらったのです。

そしてあるときガス会社というのがやってきました。

「新しくできたガス会社ですが、挨拶に来るのを忘れてまして。」


嘘つき!


うちがガスを断ったっていうリストが出回ってるんでしょ?
はじめから営業にきましたっていいなよ。

「失礼ですが、どちらのガスをお使いでしょう?」 お前こそどこのガス屋だよ。

「うちはガス使ってないんですよ。」

「失礼ですが熱源は?」 ガス使ってないなんて嘘くせーって顔。

「うちは薪なんですよ。」 勝ち誇った顔で。

さすがにこれは予定外の答えだったのか驚いたようで、
すんなり「が、がんばってください。」
と言って帰っていった。

「うん、そっちもね。」って感じ。

もしそれでも疑う様であれば、かまど、五右衛門風呂、薪ストーブを、見せつければグウの音も出まい。
彼が帰るのを見ていたら、案の定、うち以外は訪問せず帰っていった。
何故うちだけ、挨拶に来るのを忘れているのだ?



一番こいつらは馬鹿だと思ったのは、老人を狙った健康器具の販売。

彼らは突然「新装開店ホームセンターの販売促進」と扮してやって来て、
二十歳以上の方にサンプル品を配ると言って街頭に人を集める。

僕も二十歳以上なので、とりあえず向かう(兄も)。
もちろん、そっち系のセールスであると解っているのだが、貰えるなら貰っておこうと言う事だ。

業者の人間は、この区域の、この時間帯には若者はいない(老人しかいない)と
勝手に思い込んでやってきたと思える。
(僕と兄は学校が休みなので家にいた。)

業者は僕を見るなり、驚いた顔をする。

「調査ミスだったか!」って感じの顔。

街頭に集まった人に紙袋を配り、「近々この近くにオープンする店の販売促進にやってきた。」
などと言って、サンプル品を配る。

「決して怪しいセールスじゃありません。」を連発。
怪しくなきゃ言わないだろ。

そもそも彼らの人相がすでに「悪人」

配り方も頭に来るものであった。
「どこかで買えば〜円するものですが、今日は配ってしまいます。
 オープンしたときにはもっとすごいものを安く提供していくつもりです。」

明らかに100円ショップで購入できそうなものばかり。

汚れが落ちるスポンジ
何でも野菜切り(千切りもできるし、大根卸しもできるっていうようなアレです。)
ティッシュペーパー
窓の水切り(ワイパーみたいな奴)・・・生まれてから使用したこと無い、これからも使うことは無さそう。。
エトセトラ・・・・。

そして恩着せがましく「タダです、無料です。」も連呼。
ま〜本当に、ぺらぺらとよく舌がまわること・・・。
これだけ舌をまわしておきながら、重要な店のことに関しては出してこない。

大手のホームセンターであると言うが、チラシに書いてある店の名前は聴いたことのない名前。
場所も曖昧であった。
もちろん電話番号などは載っていない。


一通り説明が終わったとき、野菜切と電子レンジでチンする炊飯器のようなものを取り出しこういった。

「この商品はお一人様、どちらかひとつです。
 ほしい方を決めてください。
 ここを少し行ったお宅に、場所を借りてありますのでそこでサンプル品を配ります。
 そこでさらに詳しい説明もします。」

といって、そこに僕らを移動させようとする。

移動する際、業者は一緒に移動するのかと思いきや、
何故か先に走っていってしまった。
おそらく、仲間に何かを相談しに行ったのだろう。

僕らがそのお宅へつくと、そこには大きなトラック(引越し用のような)が止まっていた。

さっき配ったようなサンプルを入れるには明らかにでか過ぎる!

配ったサンプルだけなら、軽自動車でもでか過ぎる。
いや、自転車でも十分かもしれん・・・。

おそらく健康器具が数台入ってるのだろう。

別の地域から連れて来たという老人も数名いた。(おそらくサクラ)

そのお宅の敷地にゴザが敷かれている。
どうやらそこに座らせるようでした。

んが、そこに入ろうとしたとき、突然
「若い方こちらに集まってください!」
といって集められてしまった。

何故か先ほどのように年齢を言わずに、見た目で判断しているようだ。

そして
「若い方にはいちいち商品のこと説明する必要ないんです。
 歳の方には長く説明しないと理解できないから・・・うんたらかんたら・・・
 ・・・・・
 皆さんには先に商品配っちゃいますので、そのまま帰って結構です。」

強制的にサンプル品を貰わされ、帰れとのこと。

このあとに健康器具販売に入ると思われる。
とりあえず、一時退散する。

そして少し後に兄が、場所を借りられたお宅と知り合いなので、好奇心で遊びに行く。

すると、「ほら、これあげるから帰って。」
と、缶切りや、銭湯の元を貰わされて帰ってきた。

・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・その後

「この後にも他を回らなくちゃならないんで時間が限られているんです。」
と言いながらも、何時間か後にやっと馬鹿どもは帰っていった。

場所提供者の話によれば、半ば強制的に土地を借りられてしまったそうだ。
若者(見た目が)が帰った後も、ちゃちいサンプルを勿体つけて説明しつづけ、
最後に健康器具販売(10万くらいのマッサージ器)を開始したそうだ。
連れて来られた老人達は全員購入していたらしい。
もちろんこの地区の人たちはそんな馬鹿な話に引っ掛からない。

誰も買わないから、時間が延びたんだろうね。

もらったサンプル品は、
帰らされた僕らが一番多かった。

どうやらこの地域には何年かごとにこういった輩が来るらしい。


それからしばらくして・・・・・

兄が鴨川のほうに出向いていた時、全く同じメンバーが同じ事をしているのを見かけたのである。

本当に・・・・・

こいつら阿呆だな

笑ってやるしかないよ、ほんと。

まともな商売したらどう。
って言うか、自分たちがどう見られてるかって考えたことないんだろーな。
だませてるって思ってるのかな。


今度やってきたときは、目の前で警察、あるいは消費者センターの人を呼んであげよう。

それでも
「ホームセンターでーす!」
「今日は販売はしませーん!」
「怪しくないでーす!」
と言いながら、健康器具を販売するなら尊敬してあげよう。


振り分けるなら、催眠商法に当てはまるのだと思われますが、
これが催眠なんでしょうか?

だって、いくら言葉巧みに頑張って、
あんなワイパーみたいなものとかを貴重そうに言ったって、
ありがたみは全く感じられません。

買わせようとしている年配の方々には、あんまりサンプル品を配っていないし。
それに幾ら老人相手でも今回は商品がちゃち過ぎる。
今時はテレビとかDVDデッキとかをタダで配らないと催眠にならないよ。

しゃべってる本人が自分たちの言葉に酔いしれて催眠にかかってるんじゃないの?
「騙せてる。俺達はなんてすごいんだ!」と。

バーカ!!

大勢の前ですることで、催眠効果をあげようとしているのでしょうか。
しかし逆パターンもありえるのだ。
つまり誰も買わなきゃ、それに続かない。

こんなまわりくどい事するよりも、一人を呼び出して車に押し込めて、
強制的に健康器具を使用させて契約させるほうがいいのでは。

今回は何時間も大演説したが、契約したのはサクラ達だけである。
いや、ほんとに、お疲れ様ー!


・・・・・っていうか
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・


バーカ!!

2003 10/27




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