ゲジとムカデ




以前、コタツで寝ていたときにムカデに噛まれたことがありました。

あれは確か、深夜2時頃でした。
仰向けに寝ていた僕は、首の辺りでするモゾモゾモゾモゾした感触で目を覚ましました。

ん!? ゴキブリか!!
 
と思い、起きてトレーナーの背中の部分を持って、バサバサと動かしました。
何の反応もなかったので、出ていったかと思い安心しました。

が、しかし・・・・数秒後
ひじの関節辺りに激痛が走りました!!

ぐわァ〜!!! イデ〜ダダダ!!!!

いつの間にこんなところに!?


すかさず肘の関節の内側部分に、数発の張り手をくらわしました。

「殺したか?」

すぐさま袖を捲り上げました。
しかし、何もいない・・・・。

まだ服の中にいるのか!!??

恐ろしくなり、服を脱いでバサバサと振りました。
しかし、何もいない・・・・。

どうやらすでにどこかへ逃げ出したようです。

この間約1分。


とにかく泣きそうに痛いので、傷口の処置に入りました。
間接内側の血管の真上の傷口には
1cmぐらいの間隔で2つの穴が開いていました。

多少知識のあった僕は、すぐにムカデの仕業だとわかりました。

「毒を出さなくちゃ!」

傷口をおもいっきり、指でつまみました。
すると、2つの穴から水と血が混ざったような液が出てきました。
ティッシュでふき取って、オロナインを塗りました。


再び寝ようと試みましたが、激痛で眠れません・・・・。
常にハチに刺され続けてるような感じ。

次第に噛まれた部分からボッコリと腫れ上がってきました。

ズキンズキンズキンズキンッ!

結局そのあとは、朝まで眠れませんでした。

翌日、学校があったのですが、ず〜〜っと痛みは続いてました。


この出来事があってから、なんだか寝ることが怖くなってしまいましたが、
人間とは悲しいもので・・・眠気は必ずやってきて、ピークを過ぎると寝ちゃうんですね。



さて、以来ムカデやその類を見かけると
怒りにさいなまれぶち殺していました。

そんなある日、ゲジゲジが出現。

ムカデと違って、人間を襲う話は聞いたことありあませんが、
このころの私にとって、そんなことどうでも良かったのです。
私は、怒っていたのです。

足の多いヤツを殺すことで、ムカデにやられたことへの
復讐心を満足させていました。






「こんにゃろ〜、叩き潰してやる!」

が、よ〜く見ると・・・・・


右側の足数と左の足数が違っている・・・。

あきらかに左側の数が足りない。

それでも頑張ってワサワサと動く姿になんとなく心を打たれてしまい、
結局こいつは殺さずに、写真を撮って見送りました。



なんとなく・・・・なんとなかった出来事でした。

でも、こいつのおかげで、
ゲジは殺意の対象から外れていきました。

逆に完璧なヤツを見かけると、
カッチョ良く思えたりして。

なんかロッボト的な・・・・
なんつうか・・・

こんなラジコンが欲しい!







追記 15年5月8日(木)


再びムカデに刺されてしまったー!


学校から帰宅してからコタツで漫画を読もうと思い、コタツの布団を上げてあぐらをかいた瞬間・・・


チク!!




うわんギャーーーー!


すぐさま足のあった場所を見たら、ムカデの足が1本落ちていました。


ムカデだー! ちくしょー、靴下はいてるのにー! 
 逃げやがったぞ! どこに逃げた!?



いたいたいた! デカイぞ!


すぐに僕の後ろで父の声がしました。
少しの間にムカデは結構移動していたのでした。
父はすぐにタオルでムカデを土間に叩き落し、靴でふみふみしました。

ムカデは、僕に踏み潰されまいと抵抗したのでしょう。


さて僕はというと・・・・
以前、ムカデに刺された後にポイズンリムーバーという毒を吸い取る道具を購入しました。
しかしその後使う機会はなく薬箱の中へしまっていました。

今こそ使うときだ!

購入したときにマニュアルを一通り読んでいたので使い方は知っていました。
・・・たしか2分以内に吸い取るはずだ。

とりあえず靴下を脱ぐ。
傷口は、あぐらをかいた時に下にくる、足の甲の部分にやはり二つの噛み後。

さっそく毒を吸い出す。

吸引後、傷口からは以前のように血が出てきていた。
たぶん一緒に毒も出てきてるのだろう。
ティッシュでふき取り、オロナインを塗っておいた。


その後・・・・・・腫れは以前ほど大きくはならなかった。リムーバーの効力か!? はたまた靴下効果か!?
しかし・・・・・・痛みは続いていた。  とほほ・・。

まあ、毒を吸い出した(かもしれない)ということで、気分的には幾分か楽だったが、
やはり痛いものは痛かった。

翌日コタツの布団ははずされ、 机 に変わりました。








追記 18年5月30日(火)



18年5月30日、僕は死んだ・・・・・。






かもしれなかった。。。。。






その日、飯を済ませ、ざぶとんを枕に、映画鑑賞していた。
同じスタイルで、兄もテレビを見ていた。

私の下半身は、靴下にジーパン姿。


ふと、足首に違和感を感じた。

そして、足首から、スネ、そして内モモを誰かに指でなぞられるかのように、
違和感がス〜っと上がってくる。






はっ!





















まずい!!!!!!!



誰か助けて!!!!!!!!!








身の毛がよだった。





背中から首筋にかけて、ゾゾゾゾゾォォ〜っという
寒気のような感触が伝わり、
恐怖で意識を失うところであった。



すぐさま立ち上がり、ベルトに手を伸ばす。









てててて、手が手が手が・・・・


あまりの恐ろしさに、
指先のコントロールが利かない。
心臓が飛び出る。

ブリーフと違って、
トランクスには防御壁が無い


もはや頭の中が真っ白である。



どれだけ時間が掛かっていたのかわからない。
自分としては、この世で一番長く時間を感じた瞬間であった


どうにかして、ジーパンを下げた。


映画鑑賞中に、
突然無言で立ち上がり、
大慌てでジーパンを下げた私を横目に兄が驚いた。



兄 「なんだよ!? 突然!」



俺 「アレアレアレ、 アレ!」   気が動転して、ムカデという単語が出てこない。


アレアレ叫びながらジーパンから足を抜き、
ジーパンを放り投げ、
トランクスの中を確認する。


だ、大丈夫だろうか?


兄が叫んだ。


「あ、ムカデだ、ムカデ!!


瞬間、兄は近くにあった武器に手を伸ばした。





ジャンプ、クリティカルヒット。




悪夢 死亡。
ここここ、こいつ、こいつが・・・・


ムカデは始末されたが、
その姿を目にして、再び背筋が凍ってしまった。
そして残る恐怖で、頭はパンクしそうな状態だ。


俺 「どどど、どこ? どこにいた?」


兄 「ズボンから 出てきたぜ。」



や、やはり・・・

判断と行動がもう少し遅かったら、
悪夢は我がイチモツに到達していたであろう。

そして悪夢は、更なる悪夢を生み出したはず。




しかし、助かったのだ・・・・・




良かった。 


良かったぞ・・・・・





兄「・・・・ほんと運わりーな!」





この一瞬で、俺は全てを悟った!





そうか、  そうだったのか!



二回もムカデに噛まれたのは、
神が、この日のために、
ムカデに対する察知能力を上げるために、
私に試練を与えてくれたのだ。




絶対そうだ。




しかし・・・何故俺ばかりなのだ。
家族5人もいて、
千葉に越してきて以来約6年間、
被害は全て俺だけだ。

この痛み、この恐怖を知らない家族は、
「ムカデくらいで・・・」
と俺に言う。

なんとか、この恐怖体験を伝えてやりたいと思っていたそんなしばらく後のこと。











父がヤラレタ。






ヤッホーーッゥ!!   ピーヒャララ!!!!





朝、畑仕事をしようとして、
軍手に手を入れようとしたが、指がつっかえて入らない。

「ん、何か入ってるぞ?」

と思ったらしいが、時すでに遅し。


親指をガブガブっと数回咬まれてしまったそうな。


痛みに耐えられない父、なんと病院送り。


この間、私は眠りこけていたのだが、
起きてから、手に包帯ぐるぐる巻いた父が帰ってきて、
事の次第を知った。



笑いが止まらなかった ^∀^



ウケケケケケ!!!!

ザマーねえぜ。






俺様はその痛みに耐えたのだ!   二度も!!


そいつが!  ズボンの中に入ってきたのだ!!


わかったか! 俺様の気持ちが!!!!!!!




負けず嫌いな父。

父「でも一咬みだろ。俺なんかガブガブ数回咬まれたんだぞ!」

俺「それがどーした。俺なんかチンコ咬まれる寸前だったんだぞ!」



バカ親子。
こんなことで張り合ってどーするんだろうか・・・

そんな言い合いをしてるときに父が言った。




父「入れといたんだろ!」




ん? なに?
俺が軍手にムカデを忍ばせただと!?









んなんてこと言うんだ! この親父は。





あ、でもそれ良いね。
家族のうち、後残す所、3人。
いったい誰が咬まれるだろうか?


って、ほんと、俺やってないから。


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